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Difference between revisions of "The Golden Apples Of The Sun"

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|title=The Golden Apples Of The Sun
 
|title=The Golden Apples Of The Sun
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|author=Kazumichi Sato/Hidetsugu Ito
 
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"[[The Golden Apples Of The Sun]]" is a 2006 interview (in Japanese) by Kazumichi Sato/Hidetsugu Ito. It originally appeared in the Japanese music magazine Cookie Scene.
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== Original Text ==
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{{question|ボーズオブ・カナダ(以下BOC)のニュー・アルバム「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」がついにリリースされましたね。素晴らしい作品だと思います。まずは大雑把な感想をお伝えします。前作に比べ、ある意味とてもポップで「初めてのリスナーにも入っていきやすい空間」がより多くある作品だと感じました。そして、これまでの作品と同じように、まるで一編の映画を観ているような感覚が味わえるのですが、その映画は、より“一般的な "作品となっているような気がしました。いかがでしょう?マーカス・イオン}}
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{{boc|(以下MA):インストゥルメンタルバンドとして、レコードを作るときはいつも旅や映画のサウンドトラックを作るようなアプローチで臨んでいる。以前のアルバム「ミュージックハズザライト・トゥチルドレン」は、多くの人にとって、初めて俺達の音楽を知ったアルバムだったと思う。あれはドキュメンタリーや奇怪なアニメーションのためのサウンドトラックのようなアルバムだった。前作の「ジオガディ」は幾何学的で閉所恐怖症で、ダークな体験、何か罪深い行為といったようなイメージを抱きながら制作したんだ。そしてこの「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」になるんだけど、これはサイケデリックな空想の世界で繰り広げられるロード・ムービーのための屋外用のアウトドアサウンドトラックというアプローチで作ったんだ。それは、サンプルの細かいディテールにこだわるのではなくて、もっとポジティヴでシンプルなメロディ重視の音楽を作ろうという試みだったんだ。}}
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{{question|ただ、前作のリリースから3年以上の歳月がたっていますね。その間、いくつかのリミックスワークを除けば、BOCの情報があまり伝わってきませんでした。この3年間、どのように過ごされたのですか?例えばどこかへ旅行などには出かけられたりしましたか?}}
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{{boc|MA:「ジオガディ」を録り終えた後、いくつか収録しなかった曲が残っていたんだ。だから、すぐにまた新しいアルバムを作ることができるんだろうなって、俺達自身は思っていたんだ。けど、俺達ふたりとも新しいスタジオを探さなくちゃならなくて、結局スタジオを探して、そこに落ち着くまで、丸1年かかってしまったんだ。それで、「ジオガディ」のときに残した曲から始めようとしたんだけど、時間が経過して、俺達の趣向も移り変わっていたことに気付いたんだ。だから、このアルバムはまったく新しくゼロからの状態で始めることにしたんだ。マイクはニュージーランドで長い時間を過ごしていたから、それもアルバムの制作が遅れた理由のひとつとして挙げられるね。俺達は、BOCというスイッチをオフにして、自由になるということを実行したんだ。365日スタジオにいないといけないっていうような思い込みから自らを解放して、旅行したり、冒険したり、自由に行動したんだ。これは、アルバムのリリース間隔が空いてしまった理由のひとつなんだけど、他にも俺達が音楽を作るにあたって、サウンドや質感を出すために、ものすごく丹念にレコードを作り込んでいくから、他のバンドに比べて、音を完成させるのに時間がかかるということもあると思うよ。}}
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{{question|この3年間で最も印象に残った出来事は?どのような形で新作に反映されていると思いますか}}
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{{boc|MA:フランスのアルプスで事故に遭ったんだけど、それは俺にとってボジティヴな効果をもたらしてくれた。あの事故のおかげで、急に死というものの存在を感じるようになって、BOCの活動のレベルをさらに高めてもっとできるだけ多くの作品をこの世に残しておきたいという気持ちにさせてくれたんだ。俺の私生活、そしてBOCの活動を通して、あるいくつかのことが俺の気持ちを落ち込ませていたんだけど、あの事故を通して、新たな気持ちで、また気合を入れ直して、BOCの仕事に取り組めるようになったんだ。}}
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{{question|資料によれば2004年の夏にマイクさんにお子さんが生まれたそうですね。おめでとうございます!お子さんはお元気ですか?マイクサンディソン}}
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{{boc|(以下MI):有難う。娘は元気だよ。彼女の誕生によって、2004年は俺の人生で最高の年になったことは間違いないね。彼女は実際に数カ月間、ちょうど俺達がこのアルバムのレコーディングの仕上げをしている頃、スタジオにときどき顔を見せてくれたんだ。彼女は音楽が好きみたいで、自分の好きな音楽に反応しているのを見るのが、俺達の楽しみだった。もしかしたら、彼女は今回のアルバムの選曲に影響を与えているかもしれないね}}
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{{question|■ところで、この3年間にクラウデッドとブーム・ビップのリミックスを手がけていますね。}}
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{{boc|MI:アンチコンのアーティストとは、実際に昔から良い友達だったんだ。それで、いつもコラボレーションだとか、リミックスなんかの話をしてたんだ。だから、クラウデッドやブーム・ビップからリミックスの依頼を受けたときは、迷うことなく簡単に、いいよって答えることができたんだ。彼らよりも、もっとビッグなアーティストにりミックスを依頼されたことがあるけど、それまでずっと断り続けていたんだ。俺達は自分の芸術に対して正直でいたいし、一番高い金を積んでくれる人に俺達の曲を売ろうとは思わないんだ。その点、クラウデッドやブーム・ビップが作った音楽は大好きだった。クラウデッドがもう存在しないっていうことは、ちょっと残念だけど、彼らが築いてきたものはそれほど風化していないよね。それだけでも俺はうれしいと思うよ。これは公式な契約ではないんだけどドーズ・ワンとオッドノズダムが、俺達の曲をネタとしてリミックスするって言ってたから、今はいつの日か俺の手元に小切手が届くことを祈っているよ(笑)。}}
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{{question|中でもクラウデッドのリミックスは中期ビートルズそれが、を思い起こさせるようなサウンドに仕上がっていて非常に面白かったです。このリミックスを手がける際に最も心がけたことは何ですか?}}
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{{boc|MA:クラウデッドから、リミックスするために出来たての曲を受け取ったんだけど、誰も予想できないようなアングルで捉えた作品にしようと思ったんだ。多くの人は俺達がリミックスをやったと聞いたら、サンブルを多用したり、エレクトロニクスを駆使したヴァージョンの曲を作るだろうと予想すると思うんだよねある日、クラウデッドから渡された曲のヴォーカルバートを、マイクがいじっていたんだ。それで気付いたんだけど、ビートルズに代表される、よくあるコード進行がこの曲にピッタリとハマったんだ。このアレンジを曲全体でやったら、すごく面白いだろうなって思ってね。俺は多くのダンスビートをのせただけのリミックスに飽き飽きしていたんだ。だから、俺達は大抵ヴォーカルの部分だけを抽出して、曲を新たに付け直すという作業をするんだ。あのリミックス作業はすごく楽しかった。だって、俺はそれぞれの節にどれだけ面白い、突拍子もないサイケデリックなサウンドを付け足せるかって思考錯誤したからね。けど、俺達があのリミックスでビートルズの音をサンプリングしたって書いてある雑誌を読んだときは、ちょっと困惑しちゃったね。だって、あのリミックスの音は、すべて俺達が無の状態から作り上げた音だったし、曲自体もエレクトリックライトオーケストラ(以下ELO)のある曲に敬意を表したものだったんだ。けど、もしかしたらELOは、彼らの曲でビートルズに敬意を表していたのかもしれないから、何とも言えないんだけどね。}}
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{{question|では、そろそろニューアルバムについて、具体的にいろいろ質問していきたいと思います。まず、前作「ジオガディ」と比較した場合、制作プロセスの面で大きな違いはありましたか?あったとすれば、どんな点が?}}
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{{boc|MI:新作のレコーディングでは、昔俺達が音楽を作るときに行なっていたようなやり方を用いるようにして取り組んだ。それは、生のサウンドをレコーディングするというものだったんだ。マイクを用いて、その場の雰囲気やノイズすべてを取り込んで、それらのサウンドを重ねて、ときにはマルチトラックテーブやサンプリングを使ったりして、いろいろと操作するんだ。あと、わかりやすいサンプルや断片的な子供の声を多様しているというような、俺達のレコードに対して予想できるみんなの期待を裏切りたかった。だって、他の人達が俺達と同じようなことをやっているのを、もう何度も耳にしていて、たぶん俺達のレコードに影響を受けたのかもしれないけど、今じゃそういった手法はジョークだとすら思われているからね。だから、今作ではメロディとサウンドのテクスチャーに重きを置いたってわけさ。「ジオガディ」と決定的に異なる点と して、「ジオガディ」は積み木のような形で構成されているんだ。少しずつ物事を足していきながら曲を作り上げるというようなやり方で作られたのさ。けど、「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」では、多くの曲が、俺達ふたりのスタジオでのジャム・セッションから生まれたアイディアに基いて作られているんだ。楽器を用いて核となるアイディアを探すというような方法でね。それから、その核の周りを固めるようにして曲を仕上げていくという感じだったんだ。}}
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{{question|以前のあなた達のサウンドは、不思議な“霧”のようなものに包まれていた印象がありました。しかし今回はそれが晴れ、ひとつひとつのサウンドがクリアーに聞こえてくるような気がします。これは意図的なものだったのでしょうか?}}
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{{boc|MI:俺はサウンドがクリアーになったというよりは、ポジティヴになったというほうがしっくりくるね。以前はサウンドを隠していたんだ。どんよりとしていて霧がかった感じで、見つけるのが難しいという感じだったね。今作では、もっと夏のようなサウンドにしたかったんだ。たぶん、それは世界の状況に対する俺達のリアクションだと思うんだ。だって、むしろ今の世界は、俺達が「ジオガディ」を作った頃よりも暗いものになっている。だから、俺達のねらいは現実逃避のレコードを作ることだった。人々がすべてを忘れて旅行に行ける場所、人々が暗闇を免れるための場所を提供するようなレコードを作りたかったんだ。たぶん、「ジオガディ」では、俺達はその暗間のほうを提供していたんじゃないかな。}}
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{{question|また「サウンドがポジティヴになった」せいか、そのビートが70年代後半〜80年代初頭に聞けた初期のリズム・ボックスのように、とても心地よく響きました。}}
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{{boc|MA:俺はこれまでずっと80年代初頭のエレクトロにハマっていたんだ。ハービーハンコックやチャカカーン、ブレイクマシーンのビートの利いたサウンドなんかが好きなんだ。実際ファンクのレコードや、アース・ウインド・アンド・ファイアーの曲のリズムなんかにも影響を受けたよ。アルバムで聴けるそういったサウンドは、実際に俺達自身がプレイしたものなんだ。例えば、手拍子もそうだし、マイクはドラムを叩いているしね。誰か他の人のビートを単にサンプリングするんじゃなくて、俺は彼らがそれをどのようにして生み出したかを実際に検証してみるのが好きなん だ。それで、新しいアルバムに、そういったテクニックやスタイルを加えていくんだ。自分自身を高めていくのは本当に難しいことだけど、他人の庭の木を盗むよりはいいはずさ。}}
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{{question|これも「サウンドがポジティヴになった」せいかもしれませんが、全体的にナチュラルなトーンのギターがとても印象に残ります。そういえば、先述したブーム・ビップのリミックスでもギターが大きくフィーチャーされていましたね。なぜ、そうなったのでしょうか?}}
  
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"[[The Golden Apples Of The Sun]]" is a 2006 interview by .... It originally appeared in the Japanese music magazine Cookie Scene.
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{{boc|MI:俺達はこれまでも常にギターをフィーチャーした音楽を作ってきた。BOC以外の課外活動で俺達がどんな曲を作っているのか、みんな知ったら驚くだろうなって思うよ。BOCとして活動する前は、俺達ふたりとも、ドラムやリード・ギターやベースなんかのいるロック・バンドでプレイしていたんだ。過去のBOCのレコードでは、ギターのサンプリングなんかも聴けるけど、激しく手が加えられているから、それがギターの音だって、きっと気付かないと思うんだよね。けど、今回俺達は音楽の全体的なイメージというものを単純なものにしたかったから、ギターの音を変に隠さないことに決めた。でも、別にロックンロールって感じのアルバムを急に作りたくなったたわけではないんだ。今回は70年代後期の映画のサウンドトラックで聴けるような独特なギター・サウンドを得ようと努力したんだ。それは、ロックミュージックで聴けるようなものではなくて、ジョニミッチェルやジョンアバクロンビー、ザブリスキーポイントのギターのようなものなんだ。今でも、そういった要素を合成的に扱ったりしている。自分達のギターサウンドをサンプリングして、それにひとひねり加えたり、ピッチを変えたり、フィルターを重ねてみたり、取り除いてみたりしているんだ。}}
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{{question|これらのギターもあなた達自身で弾いているのですか?}}
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{{boc|MI:そうだよ。もちろん、すべて自分達で弾いている。俺達はすごくたくさんのいろんなギターミュージックを聴くんだ。}}
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{{question|これはBOCに対する質問としては少々異例かもしれませんが、影響を受けたギタリストは?}}
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{{boc|MI:俺の場合、ある日はヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴いて、その翌日にはザ・ミスフィッツを聴いていたりとね。今回はドライな感じの、屋外で聞 こえるようなサウンドにしたかったんだ。ちょっとサイケデリックなギター・スタイルでね。自由を象徴するようなサウンド、ザ、ドアーズとかジェームステイラーのあの音を出してみたかったんだ。}}
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{{question|昨年マーカスの推薦によってマッシュからデビューしたバイビオ(Bibio)というアーティストが作るトラックにおけるギターと電子音との融合のさせ方」と共通点を感じる曲がアルバムにありました。彼の音楽についてはどう思いますか?}}
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{{boc|MA:たぶん、バイビオに俺は影響撃されているとは患うよ。けど、彼が聴く音楽が、俺達が聴く音楽と似ているという事実もあるんだ。バイビォのスティーヴンが最初俺達の音楽に影響を受けていたということは知っているし、たぶんこればいわゆる双方向の素晴らしい相乗効果だと思うんだ。俺は、みんなが彼の音楽を聴くよりも8倍ぐらい多く、彼の音楽を聴いているけど、彼は本当に音楽の天才だよ。彼の音楽の95%はものすごく素晴らしいし、俺の波長にビッタリくるものなんだ。彼のように、いつも音楽的に冴えているアーティストって少ないんだよね。彼はサウンドの質感にこだわりを持っている。。年老いたサウンド、ダメージを受けたサウンド、未完成のサウンド、そういった音を彼は大切にするんだ。世界で一番美しい曲を超える曲があるとすれば、それは古くなり、崩れそうになり、音も出ないような状態なのに、もがきながらも生き続けている曲だと思うんだよね。あと、スティーヴンはギタリストとしても驚くほど素晴らしい才能を持っているんだ。}}
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{{question|今作には、変器類や電子音以外の、フィールド・レコーディングされた音は入っていますか?もし入っているとしたら、それは何の音ですか?}}
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{{boc|MA:空間の音を録音したものは多いよ。アウトドアな感じをこのアルバムでは表現したかったんだけど、それがあまりにも顕著に表現されるということも、したくはなかった。広い空間の音、違った環境の音をレコーディングしたんだけど、それはどちらかというと、バックグラウンドで鳴っていて、俺達の音楽を、よりカ強いものにしている。例えば、「84 Pontiac Dream」は、ニューヨークの通りの喧騒をレコーディングしたものが使われている。その音の中には、怒っているタクシーの運転手の様子や、太ったアメリカの女性がショッピングをしている様子なんかが録音されている。なぜそんな音を使ったのかというと、この曲にはもともと、そういった背景というか、コンセプトがあったからなんだ。あと、「Chromakey Dreamcat」のほとんどのサウンドは海辺のビーチで録音されたものなんだ。我々は曲名から、いろいろなことを妄想するのが好きです。特にあなた達の曲のタイトルには音楽と共に想像力を掻き立てるものが多いと思います。ただ、今回ちょっとビックリしたのが、「84 Pontiac Dream」というタイトルです。ポンティアックといえば、トランザムなど「スポーティーなアメリカ車」のイメージが強い気がします。そこに1984年という年号がくっついて…。BOCのイメージとはずいぶん異なります。なぜ、このようなタイトルを?MI:この曲は悪天候の中、都会の真ん中で波滞に巻き込まれている男の話なんだ。彼はその渋滞の中で、もうひとりの空想の自分、スポーツカーに乗って、荒野のハイウェイを疾走している自分を頭の中で思い描いているんだ。彼の空想は、はば同時進行で彼の頭の中で進んでいるんだけど、最後には、結局ダサい車に乗って雨の街の渋滞に巻き込まれている実際の自分に戻るんだ。俺達は子供の頃に観た映画やテレビ番組に、ものすごく影響を受けていると思う。それはカナダに住んでいたり、UKでも同じような番組がやっていたことが大きな理由なんだけど、ある時期、ものすごく強烈な北米のイメージが、大きなテレビのロゴや80年代前半のスポーツカー、スタント映画、例えば「キャノンボール」「グレート・スタントマン」とかによって流布されていた時代があったんだ。あの「激走 5000キロ」のイメージとか、ボンティアックのファイアーバードとか、トランザムが荒野を駆け抜けるレースのイメージだとかと一緒に流れている、すごくアナログだけど、シンセサイザーを使っている音楽があるよね。あの音に近づきたかったんだ。だから、この曲は当時のテレビ番組の制作に携わっていたグレンAラーソンや、Lorimarへの同意を示した曲なんだ。}}
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{{question|今回は「Dayvan Cowboy」というタイトルもあります。この「Dayvan」というのも車のことですよね。}}
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{{boc|MI:この曲には、特別なストーリーがあるんだ。あるサーファーの話なんだけど、彼は自分のことをヒーローだと思っていてね。彼はすごくパーソナルな幻想を持っているんだ。その幻想っていうのは、大自然に出て過激なことをいろいろして、自分でカスタマィズしたバンで違泊りするっていう、そういった旅行をするというものなんだけど、このパンっていうのは、デイバンとかアストロバンと呼ばれるもので、70年代後半から、80年代前半に北米を旅するのに、よく使われた乗り物だったんだ。俺達にとって、デイバンは、ビブラートのかかったシンセサイザーを多用したテーマ曲を使っていた、当時のテレビやロード・ムービーを術徳とさせるものなんだ。あと、カスタマイズされたデイバンの車体に描かれたグラフィックも、俺達にとってはインスピンーションであり、いわゆる“アメリカーナ”のポジティヴな一面を思い起こさせるものなんだ。自然と触れ合いながら、旅をして、アドヴェンチャーを繰り広げる、そんなイメージがあるんだ。俺達は曲を作っているとき、よく誰かのロード・トリップのためのサウンドトラックを作っているような気持ちに陥るんだ。今回はデイバンを讃えるためのアンセムを作っているようラな気持ちだったね。}}
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アルバムには、「Into The Rainbow Vein」「Peacock Tail」「Atraronchronon(=北米先住民であるイロコイ族の国の名前で「沼地の人々」という意)」「Tears From The Compound Eye」などといったタイトルの曲が入っています。こういった自然や生物をモテーフにしたサイケデリックなキーワードが、幻想的な電子音やギターの音と混じり合っているところは、まさに“ BOCの世界 "と感じます。だからこそ、車をモチーフとしているタイトルが意外に思えたのです。あなた達は、大自然やそれに従った無理のない生き方を愛しているのではないでしょうか?それでも、単なる「自然崇拝」「自然礼賛主義」には陥っていないように思えますが。
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{{boc|MA:俺達は、別に自然を崇拝するために音楽を作っているんじゃないことに確かだね。俺達が自然から影響を受けているのは確かだけど、それはあるひとつの要素にすぎない。音楽ジャーナリスト達は、俺達の作品を、よく自然主義に蒸いているというような書き方で表すけど、それは俺達の本能的な趣向であって、曲作りしているときに念頭に置いてやっているようなことではないんだ。俺達は、いろんな場所やアイテディアから、曲のインスピレーションやタイトルのアィディアを得ているんだ。だから、俺達の患考の中では、自然によってインスパイアされた曲も、自動車やある特定の時代にインスパイアされた曲も、まったく同じものなんだ。ただ、倫達が異なるものによって刺激を受けただけで、その過程に違いはないんだ。このアルバムは探検したり、旅行したり、自動車で旅をしたりすること、そしてその旅の途中で何が起こっているのか理解できないような、シュールな世界に迷い込むというような雰囲気を持っている。それは、実際の旅なのか、頭の中で思い描いている空想の旅なのか、まったくわけのわからない状態の中で繰り広げられている世界なんだ。そして、その世界は俺達がトリビュートする黄金時代、個人的に俺達が思い出すような、美しい時代の北米やカナダという場所、物事が、今よりもシンプルで、もっとハッピーだった時代に設定されているんだ。}}
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{{question|では「Slow This Bird Downlのマアでいう「色」と は、何かのメタファーだったりしますか?}}
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{{boc|MI:タイトルにふたつの意味を持たせているんだ。これは、アルバムがもたらす旅の中で進行する、もうひとつの空想の旅の一部なんだ。表面的な意味で言えば、このタイトルは小型飛行機に乗っているパイロットが言いそうな言葉だよね。パイロットが着陸する場所を見つけて、“それじゃ、この小型機(This Bird)のスビードを緩めて満陸するぞ "っていうような指示を出している感じだね。けど、俺が本当に伝えたかった意味は、この世界が現在すごく酷くて、行き詰った状態であること。それは政治的にも、技術的にも、環境の面からも言えることだと思うんだ。だから、タイトルのThis Birdって、本当はこの世界のことを指し示しているんだ。}}
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{{question|ラスト曲のタイトルは「Farewell Fire」ですね。日本語には「送り火」という言葉があります。「お盆の最後の日の夜、今までもてなしていた祖先の愛を送るために燃やす火」のことです。この曲を聴きながら、そんな「送り火」の光景が、つい頭に浮かんでくることもあります。それについて、どう思いますか?この曲は、どのようにして生まれたのでしょうか?}}
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{{boc|MA:その解釈はいいね。俺にとっては、この曲はとても悲しい曲なんだ。でも、別に具体的な事柄は意味していないんだけどね。何かの終わりを表す音楽のようなものなんだ。非常に豪響で感情的な終わりを示しているんだ。このアルバムに収録されているいくつかの曲は、作曲やサウンドプロセスといった多くの作業を経て、上手く構成されている。けど、「Farewel Fire」は違うんだ。この曲は生で録音したものだし、深夜だったからもうろうとしていたんだ。アメリカでは、野焼きをすることを「Farewell Fire」と呼ぶんだ。だから、「Farewell Fire」というのは俺達自身の送り火だということが言えるかもしれない。だって、この曲は現代までに作り出された音楽を送り出すための曲だったからね。}}
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{{question|「Farewell Fire」からは、アルバム・タイトルが「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」だけに、文字通り「キャンプの最後の夜の別れの炎」といった光景も浮かびます。今回アルバムタイトルに「キャンプファイヤー」という言葉(大自然の中の夜とつながる、BOCの音楽に似つかわしいものであると思います)を使おうと思った経織は?}}
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{{boc|MI:俺達は、このアルバムを旅のサウンドトラックと見なしている。それは本当の旅でも、架空の旅でもいいんだ。アルバムの冒頭で、あたかも誰かが旅に出かけるようシーンがあったりする。そして、その道中では、いくつかの光景や冒険があって、その旅のハイライトとして夏のキャンプファイャーがあるんだ。この長い旅路というのは、実はキャンプファイヤーを囲んでいる、ある人の頭の中で起こった、たった数分前の旅かもしれないんだ。そういったアイディアを思い起こさせるために、このキャンプファイヤーは存在しているんだ。これは、時間に歪みが存在するという理論に近いもので、その世界では時間の定義はあやふやなものになってしまうんだ。それは、現実に起こっている実際の旅の体験や、都会を離れ野生的になる感覚と、自分の頭の中で旅をしているという、現実と想像の世界の狭間の、ぼんやりとしたあいまいなものなんだ。}}
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{{question|そこに「ヘッドフェイズ」という、なにやら怪しげな言葉がくっつくのも、すごく面白いですね。ちなみに、日本では小学生や中学生のとき学校行事としてキャンプに行くという習慣があり、一生のうち、そのときしかキャンプファイヤーを体験しない人も少なくありません。そうでなくとも、高校生や大学生の要休みに行くくらいで…。私もそうでした。そんな私は「ザ・キャンプファァイヤーヘッドフェイズ」というフレーズから、「数少ないキャンプファイヤーを体験した少年〜青年期の夏に頭がとらわれてしまった状態」、もしくは「キャンプファイヤーに照らされながら(お酒や他の何かの影響もあって)頭がぶっ飛んだ状態」を 思い浮かべます。こういった解釈はいかがでしょう?}}
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{{boc|MA:そうだね、すごくいい解釈だと思う。俺達も子供の頃、キャンプファイヤーをしていたよ。そういう行事には不思議な雰囲気があったよね。けど、大人になった今だって、そういった不思議な影響を受けることだってあると思う。酔っ払って、キャンプファイャーの傍らで石を枕にして横になるよね。けど、頭はものすごく冴えてて、実際の頭から脳みそだけが飛び出して、サビついた昔のスポーツカーに乗り込んで、数週間のドライヴに出る。そんな感覚をこのアルバムは表現しようとしているんだ。}}
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{{question|ところで、前作リリース時の本誌の取材中に、「60年代のサイケデリック・ムーヴメントの根本的な倫理には共感を覚える」という発言がありました。一方で「フラワーパワーなんてものはメディアがファッションとして作り上げたものだ」という発言もありました。あなた達の音楽は、当時のオリジナルな音楽や表現の持つ「自由さ」を現代に継承しているようにも思います。こういった見方についてはどう思いますか?}}
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{{boc|MA:あの当時の自由という考えは、ものすごく刺激的なものだね。それまでの慣習を捨てて、実験的なことをしたよね。それはドラッグに留まることなく、音楽、芸術にまで飛び火して、いわゆる意識改革にまで及んだ。当時のアーティストやバンドの中には、そのコンセブトにすごく忠実な人達もいて、音楽や芸術の可能性を押し上げたんだ。けど、それと時を同じくして、明らかにサイケデリックやヒッピーの流行を商業的に利用しようとする企業や人々がいた。彼らは、あの流行を商売道具へと変えて、そこから利益を得得ようとしたんだ。そういった動きによって、結局あの流行がもたらした自由の精神だとか、自由な創造の世界というものは失われてしまったんだ。俺はいつも、当時活躍した本物のアーティスト達がやったこと、制限されることに対する彼らの反応、制限された文化や社会に対する彼らの反応を忘れてはいけないと思っているんだ。だから、俺は現代でも彼らのようになれると信じている。別に彼らのような服装をする必要はないけどね。ザ・モンキーズみたいな格格好をする必要もない。けど、60年代のオルタナティヴな文化を理解して、この退屈でつまらない居心地の良さを捨て去って、当時のようなムーヴメントをまた作り出すことはできると思うんだ。}}
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{{question|今後近いうちにライヴパフォーマンスを行なう予定はありますか?}}
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{{boc|MA:ちょうど今後のライヴの予定について調整しているところだよ。おそらく、来年には、またライヴをやるようになるんじゃないのかな。}}
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{{question|最後の質問です。マイクさんの娘さんには新作の音を聴かせましたか?もし聴かせていたら、彼女はどんな反応を示しましたか?}}
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{{boc|MI:彼女も気に入ってくれているみたいだよ。曲を書き上げている頃に、彼女もスタジオに来てたりしたんだけど、「Peacock Tail」をレコーディングしているときなんて、彼女はよくあちこち動き回って、じっとしていなかったんだ。だから、彼女のお気に入りの曲は「Peacock Tail」だね。}}
  
 
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== English translation  ==
 
  
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== Translated Text ==
 
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'''*Note''': Translated using [https://translate.google.com/ Google Translate] and [https://www.deepl.com/ DeepL].
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[[The Golden Apples Of The Sun]]
 
[[The Golden Apples Of The Sun]]
  
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== Original text (Japanese) ==
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"Road movie soundtrack in a psychedelic fantasy world". [[Boards of Canada]]'s new album, ''[[The Campfire Headphase]]'', is a masterpiece that clearly sets out the stance of being truly psychedelic. What kind of illusion did they see in the shimmering flames of the campfire (which happens to be another animal collective unit name, Campfire Songs)?
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Question creation, sentence / Kazumichi Sato <br>
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Question creation / Translated by Hidetsugu Ito / Itsuko Ishimura
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{{question|[[Boards of Canada]] (BOC)'s new album ''[[The Campfire Headphase]]'' has finally been released. I think it's a great piece of work. Let me give you a general impression first. Compared to the previous album, I felt that it was in a way very pop and had more "space for new listeners to get into". And just like the previous works, you can feel as if you are watching a film, but I felt that the film is more "generic". How about it?}}
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{{boc|[[Marcus Eoin]] (MA): As an instrumental band, we always approach making a record as if we were traveling or making a soundtrack for a movie. I think our previous album ''[[Music Has the Right to Children]]'' was the first album that many people discovered our music. It was an album that sounded like a soundtrack for a documentary or a bizarre animation. Our last album, ''[[Geogaddi]]'', was geometric and claustrophobic, a dark experience, a sinful act of some kind. Then came ''[[The Campfire Headphase]]'', which we approached as an outdoor soundtrack for a road movie set in a psychedelic fantasy world. It was an attempt to make more positive, simple, melody-oriented music, rather than focusing on the fine details of the samples.}}
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{{question|However, it's been more than three years since the release of your last album. During that time, apart from some remix work, not much information about BOC has been conveyed to us. How did you spend your time during these three years? For example, did you go on any trips?}}
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{{boc|MA: After we finished recording "[[Geogaddi]]", there were a few songs left that we didn't record. So we thought we would be able to make a new album soon. But we both had to find a new studio, and it took us a whole year to find one and settle down there. We tried to start with the songs we had left over from "[[Geogaddi]]", but as time went on, we realized that our tastes had changed. So we decided to start this album completely fresh, from scratch. Mike spent a lot of time in New Zealand, so that was another reason for the delay in making the album. We did this by turning off the BOC switch and letting loose, freeing ourselves from the assumption that we had to be in the studio 365 days a year, traveling, adventuring, and just being free. That's one of the reasons why we've had such a long gap between releases, but I think another reason is that we're very meticulous about creating a record that has a certain sound and texture to it, so it takes us longer to perfect our sound than other bands.}}
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{{question|What has been the most memorable event of the past three years? In what ways do you think they are reflected in the new album?}}
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{{boc|MA: I had an accident in the French Alps, which had a positive effect on me. Thanks to that accident, I suddenly felt the presence of death, which made me want to raise the level of BOC activities and leave as much work as possible in this world. Some things in my personal life and in BOC's work had been depressing me, but the accident has allowed me to work on BOC with a fresh mind and a renewed spirit.}}
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{{question|According to the materials, Mike had a child in the summer of 2004. Congratulations! How are your children?}}
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{{boc|[[Michael Sandison]] (MI): Thank you. She's doing great. Her birth definitely made 2004 one of the best years of my life. She actually came to see me in the studio from time to time for a few months, right around the time we were finishing up the recording of this album. She seemed to like the music, and it was fun for us to see her react to the music she liked. Maybe she had some influence on the song selection for this album.}}
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{{question|By the way, you've done remixes for Clouddead and Boom Bip in the last three years.}}
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{{boc|MI: I've actually been good friends with the Anticon artists for a long time. So we were always talking about collaborations and remixes. So when Clouddead or Boom Bip asked me to do a remix, it was easy for me to say yes without hesitation. I've been asked to do remixes for much bigger artists than them, but I've always turned them down. We like to be honest about our art and don't want to sell our songs to the highest bidder. In that respect, we loved the music that Clouddead and Boom Bip made. It's a bit of a shame that Clouddead doesn't exist anymore, but what they built hasn't faded away that much. I'm glad for that. This isn't an official deal, but Doseone and Odd Nosdam have said they'll be remixing some of our songs as material, so now I'm praying for a check to come my way someday (laughs).}}
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{{question|The remix of "Clouddead" was particularly interesting because it reminded me of the mid-period Beatles themselves. What was the most important thing you kept in mind when working on this remix?}}
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{{boc|MA: I received a song from Clouddead that was just made for remixing, but we wanted to capture it from an angle that no one would expect. A lot of people, when they hear that we've done a remix, they expect us to do a version with a lot of samples and electronics. One day, Mike was tweaking the vocals on a song that Clouddead had given him, and I realized that a common chord progression, typical of the Beatles, would work perfectly for this song. I thought it would be really interesting to do this arrangement for the whole song. I was tired of a lot of remixes that just put a dance beat on it. So we'd usually just take the vocals and rework the song. I really enjoyed that remixing process. I had a lot of fun doing that remix, because I was trying to figure out how many interesting, outlandish psychedelic sounds I could add to each verse. But when I read in a magazine that we sampled the Beatles' sound for that remix, I was a little confused, because the sound of that remix was all something we made up out of thin air, and the song itself was a tribute to a song by Electric Light Orchestra. But maybe ELO was paying homage to the Beatles with their songs, I can't say.}}
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{{question|Now, I would like to ask you various specific questions about the new album. First of all, was there a big difference in the production process compared to the previous work ''[[Geogaddi]]'' If so, what are the points?}}
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{{boc|MI: When we recorded the new album, we tried to do it the way music used to be made. It was about recording live sound. We used microphones to capture all the ambience and noise of the scene, and then layered those sounds and manipulated them in various ways, sometimes using multi-track tape and sampling to do a lot of things. We also wanted to defy people's expectations of our records, which are based on the use of obvious samples and fragmented children's voices. Because we've already heard other people doing the same kind of things that we do, and maybe they were influenced by our record, but nowadays those kinds of techniques are even considered a joke. That's why we focused on the melody and the texture of the sound on this record. One thing that's really different from ''[[Geogaddi]]'' is that ''[[Geogaddi]]'' is structured like building blocks. It was written in a way that you can build up a song by adding things little by little. But a lot of the songs on ''[[The Campfire Headphase]]'' are based on ideas that came out of jam sessions between the two of us in the studio. We used instruments to find the core ideas. And then we just kind of built around that core idea and worked on the songs.}}
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{{question|In the past, I had the impression that your sound was shrouded in a mysterious "fog". This time, however, it seems to have cleared up and each sound can be heard clearly. Was this intentional?}}
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{{boc|MI: I would say that the sound has become more positive than clear. Before, the sound was hidden. Before, I was hiding my sound, it was dark and foggy and hard to find. With this one, I wanted to make it sound more like summer. Maybe it's our reaction to the state of the world. Maybe it's our reaction to the state of the world, because the world is rather darker now than it was when we made ''[[Geogaddi]]''. So our aim was to make a record about escaping reality. We wanted to make a record that would provide a place where people could forget everything and go on a trip, a place where people could escape the darkness. Maybe in ''[[Geogaddi]]'' we were offering that darkness.}}
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{{question|Also, maybe it's because the "sound has become more positive," but the beat sounds very much like the early rhythm boxes you could hear in the late 70s and early 80s.}}
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{{boc|MA: I've always been into early 80's electro. I've always been into early 80's electro, like Herbie Hancock, Chaka Khan, and the beatific sounds of Break Machine. I've also been influenced by funk records and the rhythms of Earth, Wind and Fire songs. The sounds you hear on the album are things that we actually played ourselves. For example, the hand claps, and Mike plays the drums. I don't just sample other people's beats, I like to actually examine how they came up with them. So I'll add those techniques and styles to a new album. It's really hard to improve yourself, but it's better than stealing a tree from someone else's garden.}}
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{{question|This may also be due to the "positive sound," but the overall natural tone of the guitar is very impressive. Come to think of it, the guitar was also featured heavily in the aforementioned Boom Bip remix. Why did that happen?}}
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{{boc|MI: We've always made music that features guitars, and I think people would be surprised to know what kind of music we make in our extracurricular activities outside of BOC. Before BOC, we both played in rock bands with drums, lead guitar and bass. On past BOC records, you can hear some sampled guitars, but they're so heavily modified that you don't even know they're guitars. But this time we wanted to keep the overall image of the music simple, so we decided not to hide the guitar sound. But it's not that we suddenly wanted to make a rock and roll album. This time I tried to get that unique guitar sound that you would hear in a late 70's movie soundtrack. It's not the kind of thing you hear in rock music, it's more like Joni Mitchell or John Abercrombie or Zabriskie Point guitar. I'm still working with those elements in a synthetic way. We sample our own guitar sounds and try to give them a twist, change the pitch, layer filters, or remove them.}}
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{{question|Do you also play these guitars yourself?}}
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{{boc|MI: Yes, we do. Of course, we play them all ourselves. We listen to a lot of different guitar music.}}
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{{question|This may be a bit unusual for a BOC question, but who are your guitarist influences?}}
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{{boc|MI: For me, one day I'm listening to the Velvet Underground, and the next day I'm listening to the Misfits. I wanted it to sound dry and outdoorsy this time. A little psychedelic guitar style. I wanted to create a sound that symbolized freedom, that sound of The Doors or James Taylor.}}
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{{question|There was a song on the album that I felt had something in common with the way the guitar and electronic sounds are fused in the tracks of Bibio, an artist who made his debut on Mush last year on the recommendation of Marcus.  What do you think about his music?}}
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{{boc|MA: I'm probably influenced by Bibio. But there is also the fact that the music he listens to is similar to the music we listen to. I know that Stephen from Bibio was initially influenced by our music, and I think this is probably a great two-way synergy. I listen to his music about 8 times more than most people listen to his music, and he really is a musical genius. 95% of his music is really great and fits my wavelength perfectly. There are very few artists who are always as musically brilliant as he is. He's very particular about the texture of his sound. He values sounds that are old, damaged, unfinished, and so on. I think if there is a song that surpasses the most beautiful song in the world, it's the one that is old, crumbling, soundless, but struggling to stay alive. Also, Stephen is an amazingly talented guitarist.}}
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{{question|Are there any field-recorded sounds on this album other than instruments and electronic sounds? If so, what kind of sounds are they?}}
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{{boc|MA: There are a lot of recordings of space sounds. I wanted to have an outdoorsy feel to the album, but I also didn't want it to be too pronounced. We recorded sounds of wide open spaces and different environments, but they are more in the background and make our music more powerful. For example, "[['84 Pontiac Dream]]" uses a recording of the hustle and bustle of the streets of New York City. Among the sounds are an angry cab driver and a fat American woman shopping. The reason why I used those sounds is because the song originally had that kind of background or concept. Also, most of the sounds on "[[Chromakey Dreamcoat]]" were recorded on the beach by the ocean. We like to fantasize about a lot of things from song titles.}}
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{{question|I think many of your song titles in particular spark the imagination along with the music. However, I was a little surprised by the title "[['84 Pontiac Dream]]" this time. I think Pontiac has a strong image of "sporty American cars" such as the Trans Am. The year 1984 attached to it...it's quite different from the image of BOC. Why do you have a title like this?}}
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{{boc|MI: This song is about a guy who is caught in a traffic jam in the middle of the city in bad weather. IIn the traffic, he envisions in his mind another fantasy self, riding a sports car and sprinting through the highways of wilderness. His fantasies are going on in his mind at the same time, but in the end, he ends up back to his real self, stuck in a rainy city traffic in a dorky car. I think we're all heavily influenced by the movies and TV shows we watched as kids. There was a time when a very strong image of North America was spread by big TV logos, early 80's sports cars, and stunt movies like "Cannonball" and "The Great Stuntman". There's a very analog but synthesized music that goes along with the "5000km" image, or the Pontiac Firebird, or the image of the Trans Am racing through the wilderness. I wanted to get close to that sound. So this song is a statement of agreement with Glenn A. Larson and Lorimar, who were involved in the production of the TV show at the time.}}
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{{question|This time, there is also the title "[[Dayvan Cowboy]]". This "Day van" is also a car, isn't it?}}
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{{boc|MI: There's a special story in this song. It's about a surfer who thinks he's a hero. He has a very personal fantasy. This fantasy is about going out into the wilderness, doing extreme things, and staying overnight in a van that he customizes. The van was called a day van or astrovan, and it was a common vehicle used to travel around North America in the late 70s and early 80s. To us, Day vans are like the art of TV and road movies of the time, with their vibrato-drenched, synthesizer-heavy theme songs. The graphics on the body of the customized Day van are also an inspiration to us and remind us of the positive side of so-called "Americana". It's about being in touch with nature, traveling, and adventure. When we're writing songs, we often feel like we're soundtracking someone's road trip. This time we felt like we were making an anthem to honor Day van.}}
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{{question|The album has titles such as "[[Into the Rainbow Vein]]", "[[Peacock Tail]]", "[[Ataronchronon]]" (the name of the Iroquois country, which is an indigenous people of North America, meaning "People in the swamps"), and "[[Tears from the Compound Eye]]". The place where these psychedelic keywords with nature and living things as motifs are mixed with fantastic electronic sounds and guitar sounds is exactly the "world of BOC". That's why the title with a car motif seemed surprising. Don't you love nature and the reasonable way of life that follows it? Still, I don't think I've fallen into mere "nature worship" or "nature admiration". }}
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{{boc|MA: We certainly don't make music to worship nature, that's for sure. It's true that we are influenced by nature, but that's just one element. Music journalists often describe our work as being steeped in naturalism, but that's an instinctive preference of ours, not something we have in mind when we're writing. We get our song inspirations and title ideas from many places and ideas. So, in our minds, a song inspired by nature, a song inspired by cars, or a song inspired by a certain time period are all the same thing. It's just that they are inspired by different things, and there is no difference in the process. The album has a vibe of exploring, traveling, taking a car trip, and getting lost in a surreal world where you don't understand what's going on during the journey. It's a world that unfolds in a state of complete confusion as to whether it's a real journey or an imaginary one that you're imagining in your head. And that world is set in the golden age that we're paying tribute to, a beautiful time that we personally remember, in North America and Canada, when things were simpler and happier than they are now.}}
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{{question|So is the color in "[[Slow This Bird Down]]" a metaphor for something else?}}
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{{boc|MI: The title has a double meaning. It's part of another fantasy journey that is going on in the journey that the album brings. In a superficial sense, the title sounds like something a pilot in a small plane would say. It's like a pilot finding a place to land and saying, "Okay, I'm going to loosen the speed of this small aircraft (This Bird) and land". But the meaning I really wanted to convey was that this world is in a very bad and dead-end state right now. This is true politically, technologically, and environmentally. So the title "This Bird" is really referring to this world.}}
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{{question|The title of the last song is "[[Farewell Fire]]". In Japanese, there is a word called "okuribi" (farewell fire), which means "a fire burned on the last night of the Obon Festival to send off the love of the ancestors who have been so hospitable". As I listen to this song, I can't help but think of the scene of "okuribi". What do you think about that? How did you come up with this song?}}
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{{boc|MA: I like that interpretation. For me, it's a very sad song. But it doesn't mean anything specific. It's a kind of music that represents the end of something. It's a very powerful and emotional ending. Some of the songs on the album are well composed, having gone through a lot of work in the writing and sound process. However, "[[Farewell Fire]]" is different. It was recorded live, and it was late at night, so I was a bit woozy. In the United States, burning in the open is called "farewell fire".. So you could say that "[[Farewell Fire]]" is our own okuribi. Because this song was a send off for the music that has been made up to this day.}}
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{{question|From "[[Farewell Fire]]", the album title is ''[[The Campfire Headphase]]'', which literally means "the farewell fire on the last night of camping". What made you decide to use the word "campfire" in the title of the album (which is connected to the night in the wilderness, which I think is very appropriate for BOC's music)?}}
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{{boc|MI: We see this album as a soundtrack to a journey. It can be a real journey or an imaginary journey. At the beginning of the album, there is a scene as if someone is going on a trip. There are some sights and adventures along the way, and the highlight of the journey is the summer campfire. This long journey may actually be a journey that took place just a few minutes ago in the mind of someone sitting around a campfire. This campfire is there to remind us of those ideas. This is similar to the theory that time is distorted, and in that world, the definition of time becomes fuzzy. It's a hazy, fuzzy thing between the real world of travel and the imaginary world of travel in my head, and the real experience of real travel and the feeling of being wild and out of the city.}}
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{{question|It's also very interesting that some suspicious word "headphase" sticks to it. In Japan, it is customary to go camping as a school event when you are in elementary or junior high school, and there are many people who experience campfire only at that time in their lifetime. Many people only experience campfires at that time in their lives, and even if they don't, they go during vacations of high school and college students. I was one of them. As such, the phrase "The Campfire Headphase" reminds me of the state of being "trapped in my head during the summers of my youth and adolescence, when I experienced the few campfires I had", or "having my head blown off while being illuminated by the campfire (due to the influence of alcohol or something else)". This is what I think of. How about this kind of interpretation?}}
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{{boc|MA: Yes, I think that's a very good interpretation. We used to have campfires when we were kids. There was a mysterious atmosphere to such events. But now that we're adults, we can still be influenced by these strange things. You're drunk and you're lying on a rock pillow by the campfire, but your mind is so clear that your brain just pops out of your actual head and you get into your rusty old sports car and go on a road trip for a few weeks. That's the feeling I'm trying to capture with this album.}}
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{{question|By the way, when we interviewed you for this magazine at the time of the release of your last album, you said that you sympathized with the fundamental ethics of the psychedelic movement of the 60s. On the other hand, there was a statement that "flower power is something that the media created as a fashion statement". It seems to me that your music has inherited the "freedom" of the original music and expression of the time. What do you think about this kind of view?}}
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{{boc|MA:
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The idea of freedom at that time is very exciting. They threw away the conventions of the past and did experimental things. It went beyond drugs to music, art, and even consciousness-raising. Some of the artists and bands at the time were very loyal to the concept, pushing up the possibilities of music and art. But at the same time, there were companies and people who clearly wanted to exploit the psychedelic and hippie fads for commercial purposes. They tried to turn the fad into a business tool and profit from it. In the end, the spirit of freedom and the free world of creativity that the fad brought with it was lost. I always think that we should remember what the real artists of that time did, their reaction to being restricted, their reaction to a restricted culture and society. So I believe that we can be like them today. You don't have to dress like them, though. You don't have to dress like them, but you don't have to dress like the Monkees either. But I do believe that we can understand the alternative culture of the 60's and leave this boring, dull comfort behind and create another movement like that.}}
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{{question|Do you have any plans to perform live in the near future?}}
  
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{{boc|MA: We're just working out the schedule for future shows. Probably next year we'll start playing live again.}}
  
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{{question|Last question. Have you let your daughter listen to the new album? If you did, how did she react to it?}}
  
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She seems to like it. She used to come to the studio when we were writing songs, and when we were recording "[[Peacock Tail]]", she often moved around and didn't stay still... So her favorite song is "[[Peacock Tail]]".}}
  
 
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[[Category:Interviews|The Golden Apples Of The Sun]]
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[[Category:Interviews]]
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[[Category:The Campfire Headphase era|The Golden Apples Of The Sun]]
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[[Category:The Campfire Headphase era]]
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[[Category:Articles needing transcription]]
 
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[[Category:Articles needing translation]]
 

Latest revision as of 17:52, 8 December 2021


title The Golden Apples Of The Sun
author Kazumichi Sato/Hidetsugu Ito
publication Cookie Scene
date 2006/01
issue 46
pages 18-21



"The Golden Apples Of The Sun" is a 2006 interview (in Japanese) by Kazumichi Sato/Hidetsugu Ito. It originally appeared in the Japanese music magazine Cookie Scene.


Original Text[edit]

ボーズオブ・カナダ(以下BOC)のニュー・アルバム「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」がついにリリースされましたね。素晴らしい作品だと思います。まずは大雑把な感想をお伝えします。前作に比べ、ある意味とてもポップで「初めてのリスナーにも入っていきやすい空間」がより多くある作品だと感じました。そして、これまでの作品と同じように、まるで一編の映画を観ているような感覚が味わえるのですが、その映画は、より“一般的な "作品となっているような気がしました。いかがでしょう?マーカス・イオン
(以下MA):インストゥルメンタルバンドとして、レコードを作るときはいつも旅や映画のサウンドトラックを作るようなアプローチで臨んでいる。以前のアルバム「ミュージックハズザライト・トゥチルドレン」は、多くの人にとって、初めて俺達の音楽を知ったアルバムだったと思う。あれはドキュメンタリーや奇怪なアニメーションのためのサウンドトラックのようなアルバムだった。前作の「ジオガディ」は幾何学的で閉所恐怖症で、ダークな体験、何か罪深い行為といったようなイメージを抱きながら制作したんだ。そしてこの「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」になるんだけど、これはサイケデリックな空想の世界で繰り広げられるロード・ムービーのための屋外用のアウトドアサウンドトラックというアプローチで作ったんだ。それは、サンプルの細かいディテールにこだわるのではなくて、もっとポジティヴでシンプルなメロディ重視の音楽を作ろうという試みだったんだ。


ただ、前作のリリースから3年以上の歳月がたっていますね。その間、いくつかのリミックスワークを除けば、BOCの情報があまり伝わってきませんでした。この3年間、どのように過ごされたのですか?例えばどこかへ旅行などには出かけられたりしましたか?
MA:「ジオガディ」を録り終えた後、いくつか収録しなかった曲が残っていたんだ。だから、すぐにまた新しいアルバムを作ることができるんだろうなって、俺達自身は思っていたんだ。けど、俺達ふたりとも新しいスタジオを探さなくちゃならなくて、結局スタジオを探して、そこに落ち着くまで、丸1年かかってしまったんだ。それで、「ジオガディ」のときに残した曲から始めようとしたんだけど、時間が経過して、俺達の趣向も移り変わっていたことに気付いたんだ。だから、このアルバムはまったく新しくゼロからの状態で始めることにしたんだ。マイクはニュージーランドで長い時間を過ごしていたから、それもアルバムの制作が遅れた理由のひとつとして挙げられるね。俺達は、BOCというスイッチをオフにして、自由になるということを実行したんだ。365日スタジオにいないといけないっていうような思い込みから自らを解放して、旅行したり、冒険したり、自由に行動したんだ。これは、アルバムのリリース間隔が空いてしまった理由のひとつなんだけど、他にも俺達が音楽を作るにあたって、サウンドや質感を出すために、ものすごく丹念にレコードを作り込んでいくから、他のバンドに比べて、音を完成させるのに時間がかかるということもあると思うよ。


この3年間で最も印象に残った出来事は?どのような形で新作に反映されていると思いますか
MA:フランスのアルプスで事故に遭ったんだけど、それは俺にとってボジティヴな効果をもたらしてくれた。あの事故のおかげで、急に死というものの存在を感じるようになって、BOCの活動のレベルをさらに高めてもっとできるだけ多くの作品をこの世に残しておきたいという気持ちにさせてくれたんだ。俺の私生活、そしてBOCの活動を通して、あるいくつかのことが俺の気持ちを落ち込ませていたんだけど、あの事故を通して、新たな気持ちで、また気合を入れ直して、BOCの仕事に取り組めるようになったんだ。
資料によれば2004年の夏にマイクさんにお子さんが生まれたそうですね。おめでとうございます!お子さんはお元気ですか?マイクサンディソン
(以下MI):有難う。娘は元気だよ。彼女の誕生によって、2004年は俺の人生で最高の年になったことは間違いないね。彼女は実際に数カ月間、ちょうど俺達がこのアルバムのレコーディングの仕上げをしている頃、スタジオにときどき顔を見せてくれたんだ。彼女は音楽が好きみたいで、自分の好きな音楽に反応しているのを見るのが、俺達の楽しみだった。もしかしたら、彼女は今回のアルバムの選曲に影響を与えているかもしれないね


■ところで、この3年間にクラウデッドとブーム・ビップのリミックスを手がけていますね。
MI:アンチコンのアーティストとは、実際に昔から良い友達だったんだ。それで、いつもコラボレーションだとか、リミックスなんかの話をしてたんだ。だから、クラウデッドやブーム・ビップからリミックスの依頼を受けたときは、迷うことなく簡単に、いいよって答えることができたんだ。彼らよりも、もっとビッグなアーティストにりミックスを依頼されたことがあるけど、それまでずっと断り続けていたんだ。俺達は自分の芸術に対して正直でいたいし、一番高い金を積んでくれる人に俺達の曲を売ろうとは思わないんだ。その点、クラウデッドやブーム・ビップが作った音楽は大好きだった。クラウデッドがもう存在しないっていうことは、ちょっと残念だけど、彼らが築いてきたものはそれほど風化していないよね。それだけでも俺はうれしいと思うよ。これは公式な契約ではないんだけどドーズ・ワンとオッドノズダムが、俺達の曲をネタとしてリミックスするって言ってたから、今はいつの日か俺の手元に小切手が届くことを祈っているよ(笑)。


中でもクラウデッドのリミックスは中期ビートルズそれが、を思い起こさせるようなサウンドに仕上がっていて非常に面白かったです。このリミックスを手がける際に最も心がけたことは何ですか?
MA:クラウデッドから、リミックスするために出来たての曲を受け取ったんだけど、誰も予想できないようなアングルで捉えた作品にしようと思ったんだ。多くの人は俺達がリミックスをやったと聞いたら、サンブルを多用したり、エレクトロニクスを駆使したヴァージョンの曲を作るだろうと予想すると思うんだよねある日、クラウデッドから渡された曲のヴォーカルバートを、マイクがいじっていたんだ。それで気付いたんだけど、ビートルズに代表される、よくあるコード進行がこの曲にピッタリとハマったんだ。このアレンジを曲全体でやったら、すごく面白いだろうなって思ってね。俺は多くのダンスビートをのせただけのリミックスに飽き飽きしていたんだ。だから、俺達は大抵ヴォーカルの部分だけを抽出して、曲を新たに付け直すという作業をするんだ。あのリミックス作業はすごく楽しかった。だって、俺はそれぞれの節にどれだけ面白い、突拍子もないサイケデリックなサウンドを付け足せるかって思考錯誤したからね。けど、俺達があのリミックスでビートルズの音をサンプリングしたって書いてある雑誌を読んだときは、ちょっと困惑しちゃったね。だって、あのリミックスの音は、すべて俺達が無の状態から作り上げた音だったし、曲自体もエレクトリックライトオーケストラ(以下ELO)のある曲に敬意を表したものだったんだ。けど、もしかしたらELOは、彼らの曲でビートルズに敬意を表していたのかもしれないから、何とも言えないんだけどね。


では、そろそろニューアルバムについて、具体的にいろいろ質問していきたいと思います。まず、前作「ジオガディ」と比較した場合、制作プロセスの面で大きな違いはありましたか?あったとすれば、どんな点が?
MI:新作のレコーディングでは、昔俺達が音楽を作るときに行なっていたようなやり方を用いるようにして取り組んだ。それは、生のサウンドをレコーディングするというものだったんだ。マイクを用いて、その場の雰囲気やノイズすべてを取り込んで、それらのサウンドを重ねて、ときにはマルチトラックテーブやサンプリングを使ったりして、いろいろと操作するんだ。あと、わかりやすいサンプルや断片的な子供の声を多様しているというような、俺達のレコードに対して予想できるみんなの期待を裏切りたかった。だって、他の人達が俺達と同じようなことをやっているのを、もう何度も耳にしていて、たぶん俺達のレコードに影響を受けたのかもしれないけど、今じゃそういった手法はジョークだとすら思われているからね。だから、今作ではメロディとサウンドのテクスチャーに重きを置いたってわけさ。「ジオガディ」と決定的に異なる点と して、「ジオガディ」は積み木のような形で構成されているんだ。少しずつ物事を足していきながら曲を作り上げるというようなやり方で作られたのさ。けど、「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」では、多くの曲が、俺達ふたりのスタジオでのジャム・セッションから生まれたアイディアに基いて作られているんだ。楽器を用いて核となるアイディアを探すというような方法でね。それから、その核の周りを固めるようにして曲を仕上げていくという感じだったんだ。


以前のあなた達のサウンドは、不思議な“霧”のようなものに包まれていた印象がありました。しかし今回はそれが晴れ、ひとつひとつのサウンドがクリアーに聞こえてくるような気がします。これは意図的なものだったのでしょうか?
MI:俺はサウンドがクリアーになったというよりは、ポジティヴになったというほうがしっくりくるね。以前はサウンドを隠していたんだ。どんよりとしていて霧がかった感じで、見つけるのが難しいという感じだったね。今作では、もっと夏のようなサウンドにしたかったんだ。たぶん、それは世界の状況に対する俺達のリアクションだと思うんだ。だって、むしろ今の世界は、俺達が「ジオガディ」を作った頃よりも暗いものになっている。だから、俺達のねらいは現実逃避のレコードを作ることだった。人々がすべてを忘れて旅行に行ける場所、人々が暗闇を免れるための場所を提供するようなレコードを作りたかったんだ。たぶん、「ジオガディ」では、俺達はその暗間のほうを提供していたんじゃないかな。


また「サウンドがポジティヴになった」せいか、そのビートが70年代後半〜80年代初頭に聞けた初期のリズム・ボックスのように、とても心地よく響きました。
MA:俺はこれまでずっと80年代初頭のエレクトロにハマっていたんだ。ハービーハンコックやチャカカーン、ブレイクマシーンのビートの利いたサウンドなんかが好きなんだ。実際ファンクのレコードや、アース・ウインド・アンド・ファイアーの曲のリズムなんかにも影響を受けたよ。アルバムで聴けるそういったサウンドは、実際に俺達自身がプレイしたものなんだ。例えば、手拍子もそうだし、マイクはドラムを叩いているしね。誰か他の人のビートを単にサンプリングするんじゃなくて、俺は彼らがそれをどのようにして生み出したかを実際に検証してみるのが好きなん だ。それで、新しいアルバムに、そういったテクニックやスタイルを加えていくんだ。自分自身を高めていくのは本当に難しいことだけど、他人の庭の木を盗むよりはいいはずさ。


これも「サウンドがポジティヴになった」せいかもしれませんが、全体的にナチュラルなトーンのギターがとても印象に残ります。そういえば、先述したブーム・ビップのリミックスでもギターが大きくフィーチャーされていましたね。なぜ、そうなったのでしょうか?
MI:俺達はこれまでも常にギターをフィーチャーした音楽を作ってきた。BOC以外の課外活動で俺達がどんな曲を作っているのか、みんな知ったら驚くだろうなって思うよ。BOCとして活動する前は、俺達ふたりとも、ドラムやリード・ギターやベースなんかのいるロック・バンドでプレイしていたんだ。過去のBOCのレコードでは、ギターのサンプリングなんかも聴けるけど、激しく手が加えられているから、それがギターの音だって、きっと気付かないと思うんだよね。けど、今回俺達は音楽の全体的なイメージというものを単純なものにしたかったから、ギターの音を変に隠さないことに決めた。でも、別にロックンロールって感じのアルバムを急に作りたくなったたわけではないんだ。今回は70年代後期の映画のサウンドトラックで聴けるような独特なギター・サウンドを得ようと努力したんだ。それは、ロックミュージックで聴けるようなものではなくて、ジョニミッチェルやジョンアバクロンビー、ザブリスキーポイントのギターのようなものなんだ。今でも、そういった要素を合成的に扱ったりしている。自分達のギターサウンドをサンプリングして、それにひとひねり加えたり、ピッチを変えたり、フィルターを重ねてみたり、取り除いてみたりしているんだ。


これらのギターもあなた達自身で弾いているのですか?
MI:そうだよ。もちろん、すべて自分達で弾いている。俺達はすごくたくさんのいろんなギターミュージックを聴くんだ。


これはBOCに対する質問としては少々異例かもしれませんが、影響を受けたギタリストは?
MI:俺の場合、ある日はヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴いて、その翌日にはザ・ミスフィッツを聴いていたりとね。今回はドライな感じの、屋外で聞 こえるようなサウンドにしたかったんだ。ちょっとサイケデリックなギター・スタイルでね。自由を象徴するようなサウンド、ザ、ドアーズとかジェームステイラーのあの音を出してみたかったんだ。
昨年マーカスの推薦によってマッシュからデビューしたバイビオ(Bibio)というアーティストが作るトラックにおけるギターと電子音との融合のさせ方」と共通点を感じる曲がアルバムにありました。彼の音楽についてはどう思いますか?
MA:たぶん、バイビオに俺は影響撃されているとは患うよ。けど、彼が聴く音楽が、俺達が聴く音楽と似ているという事実もあるんだ。バイビォのスティーヴンが最初俺達の音楽に影響を受けていたということは知っているし、たぶんこればいわゆる双方向の素晴らしい相乗効果だと思うんだ。俺は、みんなが彼の音楽を聴くよりも8倍ぐらい多く、彼の音楽を聴いているけど、彼は本当に音楽の天才だよ。彼の音楽の95%はものすごく素晴らしいし、俺の波長にビッタリくるものなんだ。彼のように、いつも音楽的に冴えているアーティストって少ないんだよね。彼はサウンドの質感にこだわりを持っている。。年老いたサウンド、ダメージを受けたサウンド、未完成のサウンド、そういった音を彼は大切にするんだ。世界で一番美しい曲を超える曲があるとすれば、それは古くなり、崩れそうになり、音も出ないような状態なのに、もがきながらも生き続けている曲だと思うんだよね。あと、スティーヴンはギタリストとしても驚くほど素晴らしい才能を持っているんだ。


今作には、変器類や電子音以外の、フィールド・レコーディングされた音は入っていますか?もし入っているとしたら、それは何の音ですか?
MA:空間の音を録音したものは多いよ。アウトドアな感じをこのアルバムでは表現したかったんだけど、それがあまりにも顕著に表現されるということも、したくはなかった。広い空間の音、違った環境の音をレコーディングしたんだけど、それはどちらかというと、バックグラウンドで鳴っていて、俺達の音楽を、よりカ強いものにしている。例えば、「84 Pontiac Dream」は、ニューヨークの通りの喧騒をレコーディングしたものが使われている。その音の中には、怒っているタクシーの運転手の様子や、太ったアメリカの女性がショッピングをしている様子なんかが録音されている。なぜそんな音を使ったのかというと、この曲にはもともと、そういった背景というか、コンセプトがあったからなんだ。あと、「Chromakey Dreamcat」のほとんどのサウンドは海辺のビーチで録音されたものなんだ。我々は曲名から、いろいろなことを妄想するのが好きです。特にあなた達の曲のタイトルには音楽と共に想像力を掻き立てるものが多いと思います。ただ、今回ちょっとビックリしたのが、「84 Pontiac Dream」というタイトルです。ポンティアックといえば、トランザムなど「スポーティーなアメリカ車」のイメージが強い気がします。そこに1984年という年号がくっついて…。BOCのイメージとはずいぶん異なります。なぜ、このようなタイトルを?MI:この曲は悪天候の中、都会の真ん中で波滞に巻き込まれている男の話なんだ。彼はその渋滞の中で、もうひとりの空想の自分、スポーツカーに乗って、荒野のハイウェイを疾走している自分を頭の中で思い描いているんだ。彼の空想は、はば同時進行で彼の頭の中で進んでいるんだけど、最後には、結局ダサい車に乗って雨の街の渋滞に巻き込まれている実際の自分に戻るんだ。俺達は子供の頃に観た映画やテレビ番組に、ものすごく影響を受けていると思う。それはカナダに住んでいたり、UKでも同じような番組がやっていたことが大きな理由なんだけど、ある時期、ものすごく強烈な北米のイメージが、大きなテレビのロゴや80年代前半のスポーツカー、スタント映画、例えば「キャノンボール」「グレート・スタントマン」とかによって流布されていた時代があったんだ。あの「激走 5000キロ」のイメージとか、ボンティアックのファイアーバードとか、トランザムが荒野を駆け抜けるレースのイメージだとかと一緒に流れている、すごくアナログだけど、シンセサイザーを使っている音楽があるよね。あの音に近づきたかったんだ。だから、この曲は当時のテレビ番組の制作に携わっていたグレンAラーソンや、Lorimarへの同意を示した曲なんだ。


今回は「Dayvan Cowboy」というタイトルもあります。この「Dayvan」というのも車のことですよね。
MI:この曲には、特別なストーリーがあるんだ。あるサーファーの話なんだけど、彼は自分のことをヒーローだと思っていてね。彼はすごくパーソナルな幻想を持っているんだ。その幻想っていうのは、大自然に出て過激なことをいろいろして、自分でカスタマィズしたバンで違泊りするっていう、そういった旅行をするというものなんだけど、このパンっていうのは、デイバンとかアストロバンと呼ばれるもので、70年代後半から、80年代前半に北米を旅するのに、よく使われた乗り物だったんだ。俺達にとって、デイバンは、ビブラートのかかったシンセサイザーを多用したテーマ曲を使っていた、当時のテレビやロード・ムービーを術徳とさせるものなんだ。あと、カスタマイズされたデイバンの車体に描かれたグラフィックも、俺達にとってはインスピンーションであり、いわゆる“アメリカーナ”のポジティヴな一面を思い起こさせるものなんだ。自然と触れ合いながら、旅をして、アドヴェンチャーを繰り広げる、そんなイメージがあるんだ。俺達は曲を作っているとき、よく誰かのロード・トリップのためのサウンドトラックを作っているような気持ちに陥るんだ。今回はデイバンを讃えるためのアンセムを作っているようラな気持ちだったね。


アルバムには、「Into The Rainbow Vein」「Peacock Tail」「Atraronchronon(=北米先住民であるイロコイ族の国の名前で「沼地の人々」という意)」「Tears From The Compound Eye」などといったタイトルの曲が入っています。こういった自然や生物をモテーフにしたサイケデリックなキーワードが、幻想的な電子音やギターの音と混じり合っているところは、まさに“ BOCの世界 "と感じます。だからこそ、車をモチーフとしているタイトルが意外に思えたのです。あなた達は、大自然やそれに従った無理のない生き方を愛しているのではないでしょうか?それでも、単なる「自然崇拝」「自然礼賛主義」には陥っていないように思えますが。

MA:俺達は、別に自然を崇拝するために音楽を作っているんじゃないことに確かだね。俺達が自然から影響を受けているのは確かだけど、それはあるひとつの要素にすぎない。音楽ジャーナリスト達は、俺達の作品を、よく自然主義に蒸いているというような書き方で表すけど、それは俺達の本能的な趣向であって、曲作りしているときに念頭に置いてやっているようなことではないんだ。俺達は、いろんな場所やアイテディアから、曲のインスピレーションやタイトルのアィディアを得ているんだ。だから、俺達の患考の中では、自然によってインスパイアされた曲も、自動車やある特定の時代にインスパイアされた曲も、まったく同じものなんだ。ただ、倫達が異なるものによって刺激を受けただけで、その過程に違いはないんだ。このアルバムは探検したり、旅行したり、自動車で旅をしたりすること、そしてその旅の途中で何が起こっているのか理解できないような、シュールな世界に迷い込むというような雰囲気を持っている。それは、実際の旅なのか、頭の中で思い描いている空想の旅なのか、まったくわけのわからない状態の中で繰り広げられている世界なんだ。そして、その世界は俺達がトリビュートする黄金時代、個人的に俺達が思い出すような、美しい時代の北米やカナダという場所、物事が、今よりもシンプルで、もっとハッピーだった時代に設定されているんだ。


では「Slow This Bird Downlのマアでいう「色」と は、何かのメタファーだったりしますか?
MI:タイトルにふたつの意味を持たせているんだ。これは、アルバムがもたらす旅の中で進行する、もうひとつの空想の旅の一部なんだ。表面的な意味で言えば、このタイトルは小型飛行機に乗っているパイロットが言いそうな言葉だよね。パイロットが着陸する場所を見つけて、“それじゃ、この小型機(This Bird)のスビードを緩めて満陸するぞ "っていうような指示を出している感じだね。けど、俺が本当に伝えたかった意味は、この世界が現在すごく酷くて、行き詰った状態であること。それは政治的にも、技術的にも、環境の面からも言えることだと思うんだ。だから、タイトルのThis Birdって、本当はこの世界のことを指し示しているんだ。


ラスト曲のタイトルは「Farewell Fire」ですね。日本語には「送り火」という言葉があります。「お盆の最後の日の夜、今までもてなしていた祖先の愛を送るために燃やす火」のことです。この曲を聴きながら、そんな「送り火」の光景が、つい頭に浮かんでくることもあります。それについて、どう思いますか?この曲は、どのようにして生まれたのでしょうか?
MA:その解釈はいいね。俺にとっては、この曲はとても悲しい曲なんだ。でも、別に具体的な事柄は意味していないんだけどね。何かの終わりを表す音楽のようなものなんだ。非常に豪響で感情的な終わりを示しているんだ。このアルバムに収録されているいくつかの曲は、作曲やサウンドプロセスといった多くの作業を経て、上手く構成されている。けど、「Farewel Fire」は違うんだ。この曲は生で録音したものだし、深夜だったからもうろうとしていたんだ。アメリカでは、野焼きをすることを「Farewell Fire」と呼ぶんだ。だから、「Farewell Fire」というのは俺達自身の送り火だということが言えるかもしれない。だって、この曲は現代までに作り出された音楽を送り出すための曲だったからね。


「Farewell Fire」からは、アルバム・タイトルが「ザ・キャンプファイヤーヘッドフェイズ」だけに、文字通り「キャンプの最後の夜の別れの炎」といった光景も浮かびます。今回アルバムタイトルに「キャンプファイヤー」という言葉(大自然の中の夜とつながる、BOCの音楽に似つかわしいものであると思います)を使おうと思った経織は?
MI:俺達は、このアルバムを旅のサウンドトラックと見なしている。それは本当の旅でも、架空の旅でもいいんだ。アルバムの冒頭で、あたかも誰かが旅に出かけるようシーンがあったりする。そして、その道中では、いくつかの光景や冒険があって、その旅のハイライトとして夏のキャンプファイャーがあるんだ。この長い旅路というのは、実はキャンプファイヤーを囲んでいる、ある人の頭の中で起こった、たった数分前の旅かもしれないんだ。そういったアイディアを思い起こさせるために、このキャンプファイヤーは存在しているんだ。これは、時間に歪みが存在するという理論に近いもので、その世界では時間の定義はあやふやなものになってしまうんだ。それは、現実に起こっている実際の旅の体験や、都会を離れ野生的になる感覚と、自分の頭の中で旅をしているという、現実と想像の世界の狭間の、ぼんやりとしたあいまいなものなんだ。


そこに「ヘッドフェイズ」という、なにやら怪しげな言葉がくっつくのも、すごく面白いですね。ちなみに、日本では小学生や中学生のとき学校行事としてキャンプに行くという習慣があり、一生のうち、そのときしかキャンプファイヤーを体験しない人も少なくありません。そうでなくとも、高校生や大学生の要休みに行くくらいで…。私もそうでした。そんな私は「ザ・キャンプファァイヤーヘッドフェイズ」というフレーズから、「数少ないキャンプファイヤーを体験した少年〜青年期の夏に頭がとらわれてしまった状態」、もしくは「キャンプファイヤーに照らされながら(お酒や他の何かの影響もあって)頭がぶっ飛んだ状態」を 思い浮かべます。こういった解釈はいかがでしょう?
MA:そうだね、すごくいい解釈だと思う。俺達も子供の頃、キャンプファイヤーをしていたよ。そういう行事には不思議な雰囲気があったよね。けど、大人になった今だって、そういった不思議な影響を受けることだってあると思う。酔っ払って、キャンプファイャーの傍らで石を枕にして横になるよね。けど、頭はものすごく冴えてて、実際の頭から脳みそだけが飛び出して、サビついた昔のスポーツカーに乗り込んで、数週間のドライヴに出る。そんな感覚をこのアルバムは表現しようとしているんだ。


ところで、前作リリース時の本誌の取材中に、「60年代のサイケデリック・ムーヴメントの根本的な倫理には共感を覚える」という発言がありました。一方で「フラワーパワーなんてものはメディアがファッションとして作り上げたものだ」という発言もありました。あなた達の音楽は、当時のオリジナルな音楽や表現の持つ「自由さ」を現代に継承しているようにも思います。こういった見方についてはどう思いますか?
MA:あの当時の自由という考えは、ものすごく刺激的なものだね。それまでの慣習を捨てて、実験的なことをしたよね。それはドラッグに留まることなく、音楽、芸術にまで飛び火して、いわゆる意識改革にまで及んだ。当時のアーティストやバンドの中には、そのコンセブトにすごく忠実な人達もいて、音楽や芸術の可能性を押し上げたんだ。けど、それと時を同じくして、明らかにサイケデリックやヒッピーの流行を商業的に利用しようとする企業や人々がいた。彼らは、あの流行を商売道具へと変えて、そこから利益を得得ようとしたんだ。そういった動きによって、結局あの流行がもたらした自由の精神だとか、自由な創造の世界というものは失われてしまったんだ。俺はいつも、当時活躍した本物のアーティスト達がやったこと、制限されることに対する彼らの反応、制限された文化や社会に対する彼らの反応を忘れてはいけないと思っているんだ。だから、俺は現代でも彼らのようになれると信じている。別に彼らのような服装をする必要はないけどね。ザ・モンキーズみたいな格格好をする必要もない。けど、60年代のオルタナティヴな文化を理解して、この退屈でつまらない居心地の良さを捨て去って、当時のようなムーヴメントをまた作り出すことはできると思うんだ。


今後近いうちにライヴパフォーマンスを行なう予定はありますか?
MA:ちょうど今後のライヴの予定について調整しているところだよ。おそらく、来年には、またライヴをやるようになるんじゃないのかな。


最後の質問です。マイクさんの娘さんには新作の音を聴かせましたか?もし聴かせていたら、彼女はどんな反応を示しましたか?
MI:彼女も気に入ってくれているみたいだよ。曲を書き上げている頃に、彼女もスタジオに来てたりしたんだけど、「Peacock Tail」をレコーディングしているときなんて、彼女はよくあちこち動き回って、じっとしていなかったんだ。だから、彼女のお気に入りの曲は「Peacock Tail」だね。



Translated Text[edit]

*Note: Translated using Google Translate and DeepL.


The Golden Apples Of The Sun


"Road movie soundtrack in a psychedelic fantasy world". Boards of Canada's new album, The Campfire Headphase, is a masterpiece that clearly sets out the stance of being truly psychedelic. What kind of illusion did they see in the shimmering flames of the campfire (which happens to be another animal collective unit name, Campfire Songs)?

Question creation, sentence / Kazumichi Sato
Question creation / Translated by Hidetsugu Ito / Itsuko Ishimura


Boards of Canada (BOC)'s new album The Campfire Headphase has finally been released. I think it's a great piece of work. Let me give you a general impression first. Compared to the previous album, I felt that it was in a way very pop and had more "space for new listeners to get into". And just like the previous works, you can feel as if you are watching a film, but I felt that the film is more "generic". How about it?
Marcus Eoin (MA): As an instrumental band, we always approach making a record as if we were traveling or making a soundtrack for a movie. I think our previous album Music Has the Right to Children was the first album that many people discovered our music. It was an album that sounded like a soundtrack for a documentary or a bizarre animation. Our last album, Geogaddi, was geometric and claustrophobic, a dark experience, a sinful act of some kind. Then came The Campfire Headphase, which we approached as an outdoor soundtrack for a road movie set in a psychedelic fantasy world. It was an attempt to make more positive, simple, melody-oriented music, rather than focusing on the fine details of the samples.
However, it's been more than three years since the release of your last album. During that time, apart from some remix work, not much information about BOC has been conveyed to us. How did you spend your time during these three years? For example, did you go on any trips?
MA: After we finished recording "Geogaddi", there were a few songs left that we didn't record. So we thought we would be able to make a new album soon. But we both had to find a new studio, and it took us a whole year to find one and settle down there. We tried to start with the songs we had left over from "Geogaddi", but as time went on, we realized that our tastes had changed. So we decided to start this album completely fresh, from scratch. Mike spent a lot of time in New Zealand, so that was another reason for the delay in making the album. We did this by turning off the BOC switch and letting loose, freeing ourselves from the assumption that we had to be in the studio 365 days a year, traveling, adventuring, and just being free. That's one of the reasons why we've had such a long gap between releases, but I think another reason is that we're very meticulous about creating a record that has a certain sound and texture to it, so it takes us longer to perfect our sound than other bands.
What has been the most memorable event of the past three years? In what ways do you think they are reflected in the new album?
MA: I had an accident in the French Alps, which had a positive effect on me. Thanks to that accident, I suddenly felt the presence of death, which made me want to raise the level of BOC activities and leave as much work as possible in this world. Some things in my personal life and in BOC's work had been depressing me, but the accident has allowed me to work on BOC with a fresh mind and a renewed spirit.
According to the materials, Mike had a child in the summer of 2004. Congratulations! How are your children?
Michael Sandison (MI): Thank you. She's doing great. Her birth definitely made 2004 one of the best years of my life. She actually came to see me in the studio from time to time for a few months, right around the time we were finishing up the recording of this album. She seemed to like the music, and it was fun for us to see her react to the music she liked. Maybe she had some influence on the song selection for this album.
By the way, you've done remixes for Clouddead and Boom Bip in the last three years.
MI: I've actually been good friends with the Anticon artists for a long time. So we were always talking about collaborations and remixes. So when Clouddead or Boom Bip asked me to do a remix, it was easy for me to say yes without hesitation. I've been asked to do remixes for much bigger artists than them, but I've always turned them down. We like to be honest about our art and don't want to sell our songs to the highest bidder. In that respect, we loved the music that Clouddead and Boom Bip made. It's a bit of a shame that Clouddead doesn't exist anymore, but what they built hasn't faded away that much. I'm glad for that. This isn't an official deal, but Doseone and Odd Nosdam have said they'll be remixing some of our songs as material, so now I'm praying for a check to come my way someday (laughs).
The remix of "Clouddead" was particularly interesting because it reminded me of the mid-period Beatles themselves. What was the most important thing you kept in mind when working on this remix?
MA: I received a song from Clouddead that was just made for remixing, but we wanted to capture it from an angle that no one would expect. A lot of people, when they hear that we've done a remix, they expect us to do a version with a lot of samples and electronics. One day, Mike was tweaking the vocals on a song that Clouddead had given him, and I realized that a common chord progression, typical of the Beatles, would work perfectly for this song. I thought it would be really interesting to do this arrangement for the whole song. I was tired of a lot of remixes that just put a dance beat on it. So we'd usually just take the vocals and rework the song. I really enjoyed that remixing process. I had a lot of fun doing that remix, because I was trying to figure out how many interesting, outlandish psychedelic sounds I could add to each verse. But when I read in a magazine that we sampled the Beatles' sound for that remix, I was a little confused, because the sound of that remix was all something we made up out of thin air, and the song itself was a tribute to a song by Electric Light Orchestra. But maybe ELO was paying homage to the Beatles with their songs, I can't say.
Now, I would like to ask you various specific questions about the new album. First of all, was there a big difference in the production process compared to the previous work Geogaddi If so, what are the points?
MI: When we recorded the new album, we tried to do it the way music used to be made. It was about recording live sound. We used microphones to capture all the ambience and noise of the scene, and then layered those sounds and manipulated them in various ways, sometimes using multi-track tape and sampling to do a lot of things. We also wanted to defy people's expectations of our records, which are based on the use of obvious samples and fragmented children's voices. Because we've already heard other people doing the same kind of things that we do, and maybe they were influenced by our record, but nowadays those kinds of techniques are even considered a joke. That's why we focused on the melody and the texture of the sound on this record. One thing that's really different from Geogaddi is that Geogaddi is structured like building blocks. It was written in a way that you can build up a song by adding things little by little. But a lot of the songs on The Campfire Headphase are based on ideas that came out of jam sessions between the two of us in the studio. We used instruments to find the core ideas. And then we just kind of built around that core idea and worked on the songs.
In the past, I had the impression that your sound was shrouded in a mysterious "fog". This time, however, it seems to have cleared up and each sound can be heard clearly. Was this intentional?
MI: I would say that the sound has become more positive than clear. Before, the sound was hidden. Before, I was hiding my sound, it was dark and foggy and hard to find. With this one, I wanted to make it sound more like summer. Maybe it's our reaction to the state of the world. Maybe it's our reaction to the state of the world, because the world is rather darker now than it was when we made Geogaddi. So our aim was to make a record about escaping reality. We wanted to make a record that would provide a place where people could forget everything and go on a trip, a place where people could escape the darkness. Maybe in Geogaddi we were offering that darkness.
Also, maybe it's because the "sound has become more positive," but the beat sounds very much like the early rhythm boxes you could hear in the late 70s and early 80s.
MA: I've always been into early 80's electro. I've always been into early 80's electro, like Herbie Hancock, Chaka Khan, and the beatific sounds of Break Machine. I've also been influenced by funk records and the rhythms of Earth, Wind and Fire songs. The sounds you hear on the album are things that we actually played ourselves. For example, the hand claps, and Mike plays the drums. I don't just sample other people's beats, I like to actually examine how they came up with them. So I'll add those techniques and styles to a new album. It's really hard to improve yourself, but it's better than stealing a tree from someone else's garden.
This may also be due to the "positive sound," but the overall natural tone of the guitar is very impressive. Come to think of it, the guitar was also featured heavily in the aforementioned Boom Bip remix. Why did that happen?
MI: We've always made music that features guitars, and I think people would be surprised to know what kind of music we make in our extracurricular activities outside of BOC. Before BOC, we both played in rock bands with drums, lead guitar and bass. On past BOC records, you can hear some sampled guitars, but they're so heavily modified that you don't even know they're guitars. But this time we wanted to keep the overall image of the music simple, so we decided not to hide the guitar sound. But it's not that we suddenly wanted to make a rock and roll album. This time I tried to get that unique guitar sound that you would hear in a late 70's movie soundtrack. It's not the kind of thing you hear in rock music, it's more like Joni Mitchell or John Abercrombie or Zabriskie Point guitar. I'm still working with those elements in a synthetic way. We sample our own guitar sounds and try to give them a twist, change the pitch, layer filters, or remove them.
Do you also play these guitars yourself?
MI: Yes, we do. Of course, we play them all ourselves. We listen to a lot of different guitar music.
This may be a bit unusual for a BOC question, but who are your guitarist influences?
MI: For me, one day I'm listening to the Velvet Underground, and the next day I'm listening to the Misfits. I wanted it to sound dry and outdoorsy this time. A little psychedelic guitar style. I wanted to create a sound that symbolized freedom, that sound of The Doors or James Taylor.
There was a song on the album that I felt had something in common with the way the guitar and electronic sounds are fused in the tracks of Bibio, an artist who made his debut on Mush last year on the recommendation of Marcus. What do you think about his music?
MA: I'm probably influenced by Bibio. But there is also the fact that the music he listens to is similar to the music we listen to. I know that Stephen from Bibio was initially influenced by our music, and I think this is probably a great two-way synergy. I listen to his music about 8 times more than most people listen to his music, and he really is a musical genius. 95% of his music is really great and fits my wavelength perfectly. There are very few artists who are always as musically brilliant as he is. He's very particular about the texture of his sound. He values sounds that are old, damaged, unfinished, and so on. I think if there is a song that surpasses the most beautiful song in the world, it's the one that is old, crumbling, soundless, but struggling to stay alive. Also, Stephen is an amazingly talented guitarist.
Are there any field-recorded sounds on this album other than instruments and electronic sounds? If so, what kind of sounds are they?
MA: There are a lot of recordings of space sounds. I wanted to have an outdoorsy feel to the album, but I also didn't want it to be too pronounced. We recorded sounds of wide open spaces and different environments, but they are more in the background and make our music more powerful. For example, "'84 Pontiac Dream" uses a recording of the hustle and bustle of the streets of New York City. Among the sounds are an angry cab driver and a fat American woman shopping. The reason why I used those sounds is because the song originally had that kind of background or concept. Also, most of the sounds on "Chromakey Dreamcoat" were recorded on the beach by the ocean. We like to fantasize about a lot of things from song titles.
I think many of your song titles in particular spark the imagination along with the music. However, I was a little surprised by the title "'84 Pontiac Dream" this time. I think Pontiac has a strong image of "sporty American cars" such as the Trans Am. The year 1984 attached to it...it's quite different from the image of BOC. Why do you have a title like this?
MI: This song is about a guy who is caught in a traffic jam in the middle of the city in bad weather. IIn the traffic, he envisions in his mind another fantasy self, riding a sports car and sprinting through the highways of wilderness. His fantasies are going on in his mind at the same time, but in the end, he ends up back to his real self, stuck in a rainy city traffic in a dorky car. I think we're all heavily influenced by the movies and TV shows we watched as kids. There was a time when a very strong image of North America was spread by big TV logos, early 80's sports cars, and stunt movies like "Cannonball" and "The Great Stuntman". There's a very analog but synthesized music that goes along with the "5000km" image, or the Pontiac Firebird, or the image of the Trans Am racing through the wilderness. I wanted to get close to that sound. So this song is a statement of agreement with Glenn A. Larson and Lorimar, who were involved in the production of the TV show at the time.
This time, there is also the title "Dayvan Cowboy". This "Day van" is also a car, isn't it?
MI: There's a special story in this song. It's about a surfer who thinks he's a hero. He has a very personal fantasy. This fantasy is about going out into the wilderness, doing extreme things, and staying overnight in a van that he customizes. The van was called a day van or astrovan, and it was a common vehicle used to travel around North America in the late 70s and early 80s. To us, Day vans are like the art of TV and road movies of the time, with their vibrato-drenched, synthesizer-heavy theme songs. The graphics on the body of the customized Day van are also an inspiration to us and remind us of the positive side of so-called "Americana". It's about being in touch with nature, traveling, and adventure. When we're writing songs, we often feel like we're soundtracking someone's road trip. This time we felt like we were making an anthem to honor Day van.
The album has titles such as "Into the Rainbow Vein", "Peacock Tail", "Ataronchronon" (the name of the Iroquois country, which is an indigenous people of North America, meaning "People in the swamps"), and "Tears from the Compound Eye". The place where these psychedelic keywords with nature and living things as motifs are mixed with fantastic electronic sounds and guitar sounds is exactly the "world of BOC". That's why the title with a car motif seemed surprising. Don't you love nature and the reasonable way of life that follows it? Still, I don't think I've fallen into mere "nature worship" or "nature admiration".
MA: We certainly don't make music to worship nature, that's for sure. It's true that we are influenced by nature, but that's just one element. Music journalists often describe our work as being steeped in naturalism, but that's an instinctive preference of ours, not something we have in mind when we're writing. We get our song inspirations and title ideas from many places and ideas. So, in our minds, a song inspired by nature, a song inspired by cars, or a song inspired by a certain time period are all the same thing. It's just that they are inspired by different things, and there is no difference in the process. The album has a vibe of exploring, traveling, taking a car trip, and getting lost in a surreal world where you don't understand what's going on during the journey. It's a world that unfolds in a state of complete confusion as to whether it's a real journey or an imaginary one that you're imagining in your head. And that world is set in the golden age that we're paying tribute to, a beautiful time that we personally remember, in North America and Canada, when things were simpler and happier than they are now.
So is the color in "Slow This Bird Down" a metaphor for something else?
MI: The title has a double meaning. It's part of another fantasy journey that is going on in the journey that the album brings. In a superficial sense, the title sounds like something a pilot in a small plane would say. It's like a pilot finding a place to land and saying, "Okay, I'm going to loosen the speed of this small aircraft (This Bird) and land". But the meaning I really wanted to convey was that this world is in a very bad and dead-end state right now. This is true politically, technologically, and environmentally. So the title "This Bird" is really referring to this world.
The title of the last song is "Farewell Fire". In Japanese, there is a word called "okuribi" (farewell fire), which means "a fire burned on the last night of the Obon Festival to send off the love of the ancestors who have been so hospitable". As I listen to this song, I can't help but think of the scene of "okuribi". What do you think about that? How did you come up with this song?
MA: I like that interpretation. For me, it's a very sad song. But it doesn't mean anything specific. It's a kind of music that represents the end of something. It's a very powerful and emotional ending. Some of the songs on the album are well composed, having gone through a lot of work in the writing and sound process. However, "Farewell Fire" is different. It was recorded live, and it was late at night, so I was a bit woozy. In the United States, burning in the open is called "farewell fire".. So you could say that "Farewell Fire" is our own okuribi. Because this song was a send off for the music that has been made up to this day.
From "Farewell Fire", the album title is The Campfire Headphase, which literally means "the farewell fire on the last night of camping". What made you decide to use the word "campfire" in the title of the album (which is connected to the night in the wilderness, which I think is very appropriate for BOC's music)?
MI: We see this album as a soundtrack to a journey. It can be a real journey or an imaginary journey. At the beginning of the album, there is a scene as if someone is going on a trip. There are some sights and adventures along the way, and the highlight of the journey is the summer campfire. This long journey may actually be a journey that took place just a few minutes ago in the mind of someone sitting around a campfire. This campfire is there to remind us of those ideas. This is similar to the theory that time is distorted, and in that world, the definition of time becomes fuzzy. It's a hazy, fuzzy thing between the real world of travel and the imaginary world of travel in my head, and the real experience of real travel and the feeling of being wild and out of the city.
It's also very interesting that some suspicious word "headphase" sticks to it. In Japan, it is customary to go camping as a school event when you are in elementary or junior high school, and there are many people who experience campfire only at that time in their lifetime. Many people only experience campfires at that time in their lives, and even if they don't, they go during vacations of high school and college students. I was one of them. As such, the phrase "The Campfire Headphase" reminds me of the state of being "trapped in my head during the summers of my youth and adolescence, when I experienced the few campfires I had", or "having my head blown off while being illuminated by the campfire (due to the influence of alcohol or something else)". This is what I think of. How about this kind of interpretation?
MA: Yes, I think that's a very good interpretation. We used to have campfires when we were kids. There was a mysterious atmosphere to such events. But now that we're adults, we can still be influenced by these strange things. You're drunk and you're lying on a rock pillow by the campfire, but your mind is so clear that your brain just pops out of your actual head and you get into your rusty old sports car and go on a road trip for a few weeks. That's the feeling I'm trying to capture with this album.
By the way, when we interviewed you for this magazine at the time of the release of your last album, you said that you sympathized with the fundamental ethics of the psychedelic movement of the 60s. On the other hand, there was a statement that "flower power is something that the media created as a fashion statement". It seems to me that your music has inherited the "freedom" of the original music and expression of the time. What do you think about this kind of view?
MA: The idea of freedom at that time is very exciting. They threw away the conventions of the past and did experimental things. It went beyond drugs to music, art, and even consciousness-raising. Some of the artists and bands at the time were very loyal to the concept, pushing up the possibilities of music and art. But at the same time, there were companies and people who clearly wanted to exploit the psychedelic and hippie fads for commercial purposes. They tried to turn the fad into a business tool and profit from it. In the end, the spirit of freedom and the free world of creativity that the fad brought with it was lost. I always think that we should remember what the real artists of that time did, their reaction to being restricted, their reaction to a restricted culture and society. So I believe that we can be like them today. You don't have to dress like them, though. You don't have to dress like them, but you don't have to dress like the Monkees either. But I do believe that we can understand the alternative culture of the 60's and leave this boring, dull comfort behind and create another movement like that.
Do you have any plans to perform live in the near future?
MA: We're just working out the schedule for future shows. Probably next year we'll start playing live again.
Last question. Have you let your daughter listen to the new album? If you did, how did she react to it?
MI: She seems to like it. She used to come to the studio when we were writing songs, and when we were recording "Peacock Tail", she often moved around and didn't stay still... So her favorite song is "Peacock Tail".



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References[edit]