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"More Discreet than Most of Their Contemporaries"

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僕らにずっおは質感がメロディず同じくらいに倧切だ 䞀぀垞に拘っおるのは目がくらむような感じ。これを出しおいきたいず思っおる めくるめくようなサりンドの質感ずいうか、めたぐるしく倉化しおいくような感じだね
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ただ、曲の曖味な蚘憶だけが残るんだ
  
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自分で初めお買ったレコヌドはヒュヌマ ン・リヌグの「トラノェロヌグ」だずいう マヌカス・むオむンず、「地味なニュヌ・ りェむノがやりたかった」ずいうマむク・ サンディ゜ンが80幎代䞭期から音楜掻動を 開始。それが、ボヌズ・オブ・カナダの歎 史の始たりでもある。スコットランドぱ ゞンバラに拠点を眮き、さたざたな倉遷を 経お蟿り着いた詩情溢れる゚レクトロニッ ク・ミュヌゞック。心地よいダりン・テン ポなビヌトに深く霧がかかったような幻想 的なサりンドスケヌブで、繊现さず倧胆さ の間を巧みに行き来する姿は、ここ数幎の ゚レクトロニカ〜ポストロックの文脈で語
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られおもおかしくないはず。 倚圩なツヌルを操りながら、゚モヌショ ナルか぀サむケデリックな音像を描き出す マヌカスマむク。圌らの玄3幎ぶりずな る新䜜「ザ・キャンプファむダヌ・ヘッド フェむズ」が届いた通算3䜜目。これ たでのアルバムよりも柔らかなギタヌの音 色が掻かされおいお、非垞にオヌガニック な味わいなのが印象的。今たで同様、明確 なコンセプトは提瀺せず、ゆっくりず浮か んでは消えるメロディがさたざたな暡様ず
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なっお䞀぀のサりンドに溶け蟌んでいく。 今回はメヌル・むンタビュヌにお、その 枩かくもあり衰しくもある本䜜の栞に迫っ
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おみるこずにした。 -今たで以䞊に䞞みがあっお、柔らかな 光を垯びた䜜品ですね。こういう方向性に 蟿り着いたのは、あなたたちを取り巻く環 境の倉化によるものなんですかそれず
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も、内面的な倉化によるものなんですか マヌカス「前䜜の『ゞオガディ』を完成さ せた時、かなり曲が䜙っおるこずに気付い たんだ。それらの曲を早急に完成させお、 曎に数曲曞き足しお、新しいアルバムをで きるだけ早く出すずいうのが圓初の蚈画だ った。ずころが、前からずっずスタゞオを 別のずころに移したいず思っおいお、その 候補地を探しおるうちに䜕ヵ月も無駄にし
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ちゃっおね。で、やっず新しいスタゞオに
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萜ち着いた頃には、だいぶ時が経っおいお、 『ゞオガディ』で䜙った曲に察する思いも 倉わっおしたっおいた。自分たちの音楜的 な趣味は倉わっおいたし、結局、党おを自
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玙に戻しお䞀から䜜り盎すこずにしたよ。 ずいうわけで、新䜜はちょうど、前䜜に察 するリアクションのようになった。぀たり 「ゞオガディ」が暗くお耇雑だから、それ を掃すべく、新䜜は玔粋にメロディやサ りンドだけを远究したシンプルなものでい
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いんじゃないかず思ったんだ」
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—1 #E "Into The Rainbow Vein" € いうタむトルにもリンクしたすが、氎面に 映った虹のように、サりンド党䜓が透明な
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色圩を垯びおいるように感じられたす。 マヌカス「テヌマを語るのにあたり神秘的 な衚珟を䜿う぀もりはないんだけど、僕ら がを甚いる堎合はさたざたな意味を含ん でる。たずえば、映像で䜿われる“クロマ キヌ”特定の色を背景に画像を撮圱しお おき、その他に別な画像を重ねるこずで合 成を行なうものだったりするし、あるい は共感芚の結果ずしお芋える色だったりす る。぀たり、ある音を悪くず特定な色を連 想するずいう感芚だ。そもそも僕は、決た った色が決たったサりンドや環境にマッチ するず思っおる。今回のアルバムに限っお いえば、たぶん自分たちはニュヌトラルな 空間をめおいたんだず思う。暗くもな く、ハッピヌでもなく、䜕か耪せた青緑 色のようなもの。倪陜の䞋に攟眮されおい た叀い空き猶のような感じかな」 たた、本䜜には心地の奜い“ゆらぎ” がありたす。これがあるからこそ、それぞ れの曲が豊かな衚情を湛えおいるず思うん ですけど、この心地よさを䌚埗するには䜕
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が䞍可欠だず考えたすか マむク「今回は、今たでず比べお曲にダむ ナミズムを出そうず意識したね。それか ら、サりンドの質感のせいでそういう颚に 感じおもらえたのかもしれない。そもそも メロディずいうものは、楜噚やスタむルを 通じお新しい解釈をどうずでも斜せるけ ど、質感ずいうものは、わりず動かしがた
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いものだず思う。僕らにずっおは質感がメ ロディず同じくらいに倧切だ。じゃなけれ
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ば、着メロ専門の䜜曲家になっおるさ。 で、䞀぀垞に拘っおるのは日がくらむよう
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な感じ。これを出しおいきたいず思っおる。 めくるめくようなサりンドの質感ずいうか、
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めたぐるしく倉化しおいくような感じだね。 音楜を倢芋るのず䌌おるかな。ハッキリず しないし、説明もできない。ただ、曲の腹 味な蚘憶だけが残る。そういう感じを実際 のレコヌディングで出せるよう頑匵るのが
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僕らには面癜いんだ」 䞀本䜜にはさたざたな質感の音が混圚し おたすが、党䜓のサりンドを敎えおいく段 階で、あなたたちが最も泚意しおいるこず
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は䜕でしょう マヌカス「マむクはメロディに泚目しおる ようだけど、二人ずも音楜のサりンドをど れだけ突き詰めおいけるかずいうこずに取 り憑かれおるね。やっぱり音楜ずいうもの は、単玔に歌を挔奏するだけのこずじゃな いからさ。その曲のチュヌニングが埮かに ズレおいたり、音がこもっおいたり、遠の いおいたり、厩れおいたりするず、党く遠 うレベルの情感がき起こる。自分たちに しおみれば、たるで二次元の曲が䞉次に なるような感じだ。で、僕なんかは、音の 凞凹した衚面が感じられるようなものが奜 きだな。ちょうど油絵の衚面をひび割れた
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レリヌフが芆っおいるような、あの感じ。
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ああいうのが音楜にあっお欲しいんだよ」 -なるほど。僕はこのアルバムを聎いお いるず䜕故か海を思い浮かべたす。実際、
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曲の䞭に波の音も収録されおいたすし。 マむク「最近、前よりもう少し海の近くに 移ったから、そういう音はずおも簡単に捚 えるんだ。二人ずも海の近くで育ったし、 今回のアルバムを通じお、海岞のようなだ だっ広い空間の感芚が再び蚪れたず蚀っお
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もいいんじゃないかな」 -アナログ・シンセ、テヌプ・゚コヌ、 ギタヌなど、本䜜ではいろいろな楜噚や機 材が䜿われおいるず思いたすが、制䜜しお
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いる時に頻繁に䜿ったツヌルは
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若い頃はカネがなくお思うように楜噚や録音機材を買えないから
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ビヌル猶、プラスチック補の箱、孊生鞄なんかを掻き集めおはスティックで叩いお
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そのリズムを安っぜいテヌプ・マシンに吹き蟌んだりしたよ
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録音を重ねるたびにテヌプの音がどんどん歪んだけど、最高のサりンドだったんだ
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マむク「今回はテヌプ・゚コヌをかなり䜿 っおるんだ。パッず聎いた限りでは気づか ないような箇所でも登堎する。今は誰もが 簡単に゚レクトロニック・ミュヌゞックを
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䜜れるようになったよね。ラップトップず 50ドルの゜フトりェアさえあれば、䜕かし らの音楜を䜜れる。゚レクトロニック・ミ
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ュヌゞックっお実はかなり昔からあるんだ。 今の゚レクトロニック・ミュヌゞシャンや ファンの倚くは最近のものだず思いこんで るようだけどね。でも、䜕十幎も前から存
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圚しおるよ。
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たずえば、スティヌノィヌ・ワンダヌが 70幎代にシンセサむザヌで䜜ったポリフォ ニックでクロマチックな音楜。あれが倧奜 きでね。圌はコンピュヌタヌのシヌケンス を䜿わずに、モノシンセでマルチ・トラッ キングしおた。そうやっおオヌガニックな サりンドを芋事に線み出しおいたのさ。圌 のアルバム『シヌクレット・ラむフ』を聎 いおみるず、シンセサむザヌで自由に奏で た玠晎らしい曲がたっぷりず入っおる。そ こには量子化されおいない、近幎の゚レク トロニック・ダンス・ミュヌゞックずは遠 くかけ離れたものがある。僕らも自分たち の音楜をそれず同じように捉えおるね。確 かに䜜っおるのぱレクトロニック・ミュ ヌゞックだけど、今の人たちの殆どが䜿っ おるような仕様や技術は甚いおないよ」 あなたたちは10代の頃からさたざたな 楜噚を独孊で孊び、カセット・テヌプにい ろんな音を録音しおいたずか。圓時はどん
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な音を録っおいたんです マヌカス「若い頃はカネがなくお思うよう に楜噚や録音機材を買えないから、身の回 りのもので工倫するしかないよね。だから、 マルチ・トラック・テヌプ・レコヌディン ゞもどきを、耇数のステレオ・テヌプ・レ コヌダヌず安物のマむクを䜿っおやろうず しおたんだ。ビヌル猶、プラスチック補の 箱、孊生なんかを掻き集めおはドラム・ スティックで叩いお、そのリズムを安っぜ
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いテヌプ・マシンに吹き蟌んだりしたよ。 それをたた普通にスピヌカヌで生しお
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別の機械に録音し぀぀、ピアノやら手拍子 やらアコヌスティック・ギタヌやらの音を 片っ端からオヌノァヌ・ダビングしおいっ た。䞍協和音の実隓みたいなものさ。䜕し ろ録音を重ねるたびにテヌブの音がどんど ん歪んでボダケおくるんだけど、最高のサ りンドだったんだ。クリ゚むティノな䜓隓 だったな。ずにかく、足せるものは䜕でも 足しおた。テレビから面癜いものが流れお くればテレビの音量を䞊げお、それをその たた録音しおたね。そうやっお録った曲は どれも匷烈で、グチャグチャなニュヌ・り
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゚むノ・ゞャムっお感じだったよ」 ぞええ。ずころで、あなたたちぱゞ ンバラの山奥で暮らしおるんですよね。そ
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ういう環境で日々アヌトに没頭できる䞀。 そんな生掻のいちばんのメリットは䜕です かたた、デメリットを感じる郚分はあ
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りたすか マヌカス「いちばんのメリットは、自分の アヌトの居堎所ずなる䞖俗的な珟代文化か ら隔離された"バブル”を圢成できるこず だ。日々、服食店やカフェなんかで倧音量 の音楜や掟手な光景ずいった郜䌚的な圱響 䞋にさらされおいたら、創造性が巊右され お圓たり前だず思う。それが悪いずは蚀わ ないよ。その人の音楜やアヌトのあり方に よるから。ただ僕らの堎合、毎日そういう 環境に囲たれた状態で、ボヌズ・オブ・カ ナダの䞖界に芖芚的か぀聎芚的に集䞭する
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のは難しいね。だけどデメリットもある。 たたには倖から適圓な刺数を受けないず、 自分のアヌトに新たな面やアむディアが生 たれにくいんだ。お、そういう刺数は掻気 のある環境にいた方が受けやすい。だから 時々、わざわざ郚䌚の文化に身を投じる必 芁があるず思うんだ。あるいは、僕らがよ
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くやるように旅に出るのもいいね」 倖の䞖界で起こっおいるムヌノメント ずは距離を眮いおいるあなたたちですが、 クラりデッド、ブヌム・ビップ、ベックな ど、間隔は長いけど他人のリミックスは継
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続的に行なっおきおたすね。 マむク「リミックスの仕事に぀いおは、
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ックリするくらい物りを持っおるよ。実際、
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5回に1回くらしか匕き受けおないしね。
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ビッグなアヌティストの仕事も断わった。 忙しかったずいうのもあるけど、倧抵は自 分たちの䞖界ずそのアヌティストの䞖界ず
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の間に接点を感じないからなんだ。 で、その䞭でもベックは数少ない離れが たいミュヌゞシャンだ。䞀床、取っ掛かり を掎んで理解しちゃうず、圌が出すもの党 おが欲しくなる。最近のありきたりな音楜 が溢れる海の䞭で、ベックは未だに玠晎ら しい音楜を䜜るかがり火ずなっお、新䜜を 出すたびにみんなをアッず蚀わせおくれお るんだ。圌は人気があるし、MTVでもク
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リップがしょっちゅう流れるから、䞭には "裏切り者”呌ばわりする人もいるけど、 勘違いも甚だしいね。そもそもベック自身 が自分をポップ・アヌティストずしお捉え おるんだ。無理をしおクヌルでアンダヌグ ラりンドなずころに留たろうなんお思っお ない。それっお、自行がある蚌拠だよ。匱 さずは逆だ。䞖の䞭にいるクリ゚むティノ なバンドがもっずそういうアプロヌチを取 るようになれば、ポップ・チャヌトも今よ り面癜くなるんんじゃないかな」
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では、最近お気に入りの音楜は マヌカス「僕らは垞に新しい音楜を芋出す ようにしおるけど、最近のものも30幎くら い前のような凄く叀いものもたんべんなく 聎いおる。僕は、スフィアン・スティヌノ
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ンス、ビヌチ・ボヌむズ、ゞョむ・ゞッパ -、ダむクハりス、ゞョン・フルシアンテ
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なんかをよく聎くね」 ヌボヌズ・オブ・カナダの䜜品は、旅を した時に味わうような特別な䜓隓を提䟛し おくれるず思うんですが、これからの人生、 あなたたちは音楜を通じおどんな旅をしお
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いきたいず考えおいたす マむク「僕は昔から音楜を超えお䜕かをし たいず思っおた。できれば䞖界䞭を旅し お、ワむルドな冒険をしたいね。特に、北
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極に行くチャンスがあるずいいんだけど。 レコヌド䌚瀟に掛け合っお、あそこでビデ
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オを撮らせおもらおうかな^_^」</onlyinclude>
  
 
== Translated text  ==
 
== Translated text  ==

Revision as of 16:44, 5 July 2024


title The new work is like a bright-blue-green color
author Takuro Ueno
publication Crossbeat
date 2005/12
issue 266
pages 120-123
The new work is like a bright-blue-green color was an interview (in Japanese) by Takuro Ueno originally published December 2005 in Crossbeat magazine Vol. 266 pp.120-123.


Original Text

僕らにずっおは質感がメロディず同じくらいに倧切だ 䞀぀垞に拘っおるのは目がくらむような感じ。これを出しおいきたいず思っおる めくるめくようなサりンドの質感ずいうか、めたぐるしく倉化しおいくような感じだね ただ、曲の曖味な蚘憶だけが残るんだ


自分で初めお買ったレコヌドはヒュヌマ ン・リヌグの「トラノェロヌグ」だずいう マヌカス・むオむンず、「地味なニュヌ・ りェむノがやりたかった」ずいうマむク・ サンディ゜ンが80幎代䞭期から音楜掻動を 開始。それが、ボヌズ・オブ・カナダの歎 史の始たりでもある。スコットランドぱ ゞンバラに拠点を眮き、さたざたな倉遷を 経お蟿り着いた詩情溢れる゚レクトロニッ ク・ミュヌゞック。心地よいダりン・テン ポなビヌトに深く霧がかかったような幻想 的なサりンドスケヌブで、繊现さず倧胆さ の間を巧みに行き来する姿は、ここ数幎の ゚レクトロニカ〜ポストロックの文脈で語 られおもおかしくないはず。 倚圩なツヌルを操りながら、゚モヌショ ナルか぀サむケデリックな音像を描き出す マヌカスマむク。圌らの玄3幎ぶりずな る新䜜「ザ・キャンプファむダヌ・ヘッド フェむズ」が届いた通算3䜜目。これ たでのアルバムよりも柔らかなギタヌの音 色が掻かされおいお、非垞にオヌガニック な味わいなのが印象的。今たで同様、明確 なコンセプトは提瀺せず、ゆっくりず浮か んでは消えるメロディがさたざたな暡様ず なっお䞀぀のサりンドに溶け蟌んでいく。 今回はメヌル・むンタビュヌにお、その 枩かくもあり衰しくもある本䜜の栞に迫っ おみるこずにした。 -今たで以䞊に䞞みがあっお、柔らかな 光を垯びた䜜品ですね。こういう方向性に 蟿り着いたのは、あなたたちを取り巻く環 境の倉化によるものなんですかそれず も、内面的な倉化によるものなんですか マヌカス「前䜜の『ゞオガディ』を完成さ せた時、かなり曲が䜙っおるこずに気付い たんだ。それらの曲を早急に完成させお、 曎に数曲曞き足しお、新しいアルバムをで きるだけ早く出すずいうのが圓初の蚈画だ った。ずころが、前からずっずスタゞオを 別のずころに移したいず思っおいお、その 候補地を探しおるうちに䜕ヵ月も無駄にし ちゃっおね。で、やっず新しいスタゞオに


萜ち着いた頃には、だいぶ時が経っおいお、 『ゞオガディ』で䜙った曲に察する思いも 倉わっおしたっおいた。自分たちの音楜的 な趣味は倉わっおいたし、結局、党おを自 玙に戻しお䞀から䜜り盎すこずにしたよ。 ずいうわけで、新䜜はちょうど、前䜜に察 するリアクションのようになった。぀たり 「ゞオガディ」が暗くお耇雑だから、それ を掃すべく、新䜜は玔粋にメロディやサ りンドだけを远究したシンプルなものでい いんじゃないかず思ったんだ」 —1 #E "Into The Rainbow Vein" € いうタむトルにもリンクしたすが、氎面に 映った虹のように、サりンド党䜓が透明な 色圩を垯びおいるように感じられたす。 マヌカス「テヌマを語るのにあたり神秘的 な衚珟を䜿う぀もりはないんだけど、僕ら がを甚いる堎合はさたざたな意味を含ん でる。たずえば、映像で䜿われる“クロマ キヌ”特定の色を背景に画像を撮圱しお おき、その他に別な画像を重ねるこずで合 成を行なうものだったりするし、あるい は共感芚の結果ずしお芋える色だったりす る。぀たり、ある音を悪くず特定な色を連 想するずいう感芚だ。そもそも僕は、決た った色が決たったサりンドや環境にマッチ するず思っおる。今回のアルバムに限っお いえば、たぶん自分たちはニュヌトラルな 空間をめおいたんだず思う。暗くもな く、ハッピヌでもなく、䜕か耪せた青緑 色のようなもの。倪陜の䞋に攟眮されおい た叀い空き猶のような感じかな」 たた、本䜜には心地の奜い“ゆらぎ” がありたす。これがあるからこそ、それぞ れの曲が豊かな衚情を湛えおいるず思うん ですけど、この心地よさを䌚埗するには䜕 が䞍可欠だず考えたすか マむク「今回は、今たでず比べお曲にダむ ナミズムを出そうず意識したね。それか ら、サりンドの質感のせいでそういう颚に 感じおもらえたのかもしれない。そもそも メロディずいうものは、楜噚やスタむルを 通じお新しい解釈をどうずでも斜せるけ ど、質感ずいうものは、わりず動かしがた


いものだず思う。僕らにずっおは質感がメ ロディず同じくらいに倧切だ。じゃなけれ ば、着メロ専門の䜜曲家になっおるさ。 で、䞀぀垞に拘っおるのは日がくらむよう な感じ。これを出しおいきたいず思っおる。 めくるめくようなサりンドの質感ずいうか、 めたぐるしく倉化しおいくような感じだね。 音楜を倢芋るのず䌌おるかな。ハッキリず しないし、説明もできない。ただ、曲の腹 味な蚘憶だけが残る。そういう感じを実際 のレコヌディングで出せるよう頑匵るのが 僕らには面癜いんだ」 䞀本䜜にはさたざたな質感の音が混圚し おたすが、党䜓のサりンドを敎えおいく段 階で、あなたたちが最も泚意しおいるこず は䜕でしょう マヌカス「マむクはメロディに泚目しおる ようだけど、二人ずも音楜のサりンドをど れだけ突き詰めおいけるかずいうこずに取 り憑かれおるね。やっぱり音楜ずいうもの は、単玔に歌を挔奏するだけのこずじゃな いからさ。その曲のチュヌニングが埮かに ズレおいたり、音がこもっおいたり、遠の いおいたり、厩れおいたりするず、党く遠 うレベルの情感がき起こる。自分たちに しおみれば、たるで二次元の曲が䞉次に なるような感じだ。で、僕なんかは、音の 凞凹した衚面が感じられるようなものが奜 きだな。ちょうど油絵の衚面をひび割れた レリヌフが芆っおいるような、あの感じ。 ああいうのが音楜にあっお欲しいんだよ」 -なるほど。僕はこのアルバムを聎いお いるず䜕故か海を思い浮かべたす。実際、 曲の䞭に波の音も収録されおいたすし。 マむク「最近、前よりもう少し海の近くに 移ったから、そういう音はずおも簡単に捚 えるんだ。二人ずも海の近くで育ったし、 今回のアルバムを通じお、海岞のようなだ だっ広い空間の感芚が再び蚪れたず蚀っお もいいんじゃないかな」 -アナログ・シンセ、テヌプ・゚コヌ、 ギタヌなど、本䜜ではいろいろな楜噚や機 材が䜿われおいるず思いたすが、制䜜しお いる時に頻繁に䜿ったツヌルは


若い頃はカネがなくお思うように楜噚や録音機材を買えないから ビヌル猶、プラスチック補の箱、孊生鞄なんかを掻き集めおはスティックで叩いお そのリズムを安っぜいテヌプ・マシンに吹き蟌んだりしたよ 録音を重ねるたびにテヌプの音がどんどん歪んだけど、最高のサりンドだったんだ


マむク「今回はテヌプ・゚コヌをかなり䜿 っおるんだ。パッず聎いた限りでは気づか ないような箇所でも登堎する。今は誰もが 簡単に゚レクトロニック・ミュヌゞックを 䜜れるようになったよね。ラップトップず 50ドルの゜フトりェアさえあれば、䜕かし らの音楜を䜜れる。゚レクトロニック・ミ ュヌゞックっお実はかなり昔からあるんだ。 今の゚レクトロニック・ミュヌゞシャンや ファンの倚くは最近のものだず思いこんで るようだけどね。でも、䜕十幎も前から存 圚しおるよ。 たずえば、スティヌノィヌ・ワンダヌが 70幎代にシンセサむザヌで䜜ったポリフォ ニックでクロマチックな音楜。あれが倧奜 きでね。圌はコンピュヌタヌのシヌケンス を䜿わずに、モノシンセでマルチ・トラッ キングしおた。そうやっおオヌガニックな サりンドを芋事に線み出しおいたのさ。圌 のアルバム『シヌクレット・ラむフ』を聎 いおみるず、シンセサむザヌで自由に奏で た玠晎らしい曲がたっぷりず入っおる。そ こには量子化されおいない、近幎の゚レク トロニック・ダンス・ミュヌゞックずは遠 くかけ離れたものがある。僕らも自分たち の音楜をそれず同じように捉えおるね。確 かに䜜っおるのぱレクトロニック・ミュ ヌゞックだけど、今の人たちの殆どが䜿っ おるような仕様や技術は甚いおないよ」 あなたたちは10代の頃からさたざたな 楜噚を独孊で孊び、カセット・テヌプにい ろんな音を録音しおいたずか。圓時はどん な音を録っおいたんです マヌカス「若い頃はカネがなくお思うよう に楜噚や録音機材を買えないから、身の回 りのもので工倫するしかないよね。だから、 マルチ・トラック・テヌプ・レコヌディン ゞもどきを、耇数のステレオ・テヌプ・レ コヌダヌず安物のマむクを䜿っおやろうず しおたんだ。ビヌル猶、プラスチック補の 箱、孊生なんかを掻き集めおはドラム・ スティックで叩いお、そのリズムを安っぜ いテヌプ・マシンに吹き蟌んだりしたよ。 それをたた普通にスピヌカヌで生しお


別の機械に録音し぀぀、ピアノやら手拍子 やらアコヌスティック・ギタヌやらの音を 片っ端からオヌノァヌ・ダビングしおいっ た。䞍協和音の実隓みたいなものさ。䜕し ろ録音を重ねるたびにテヌブの音がどんど ん歪んでボダケおくるんだけど、最高のサ りンドだったんだ。クリ゚むティノな䜓隓 だったな。ずにかく、足せるものは䜕でも 足しおた。テレビから面癜いものが流れお くればテレビの音量を䞊げお、それをその たた録音しおたね。そうやっお録った曲は どれも匷烈で、グチャグチャなニュヌ・り ゚むノ・ゞャムっお感じだったよ」 ぞええ。ずころで、あなたたちぱゞ ンバラの山奥で暮らしおるんですよね。そ ういう環境で日々アヌトに没頭できる䞀。 そんな生掻のいちばんのメリットは䜕です かたた、デメリットを感じる郚分はあ りたすか マヌカス「いちばんのメリットは、自分の アヌトの居堎所ずなる䞖俗的な珟代文化か ら隔離された"バブル”を圢成できるこず だ。日々、服食店やカフェなんかで倧音量 の音楜や掟手な光景ずいった郜䌚的な圱響 䞋にさらされおいたら、創造性が巊右され お圓たり前だず思う。それが悪いずは蚀わ ないよ。その人の音楜やアヌトのあり方に よるから。ただ僕らの堎合、毎日そういう 環境に囲たれた状態で、ボヌズ・オブ・カ ナダの䞖界に芖芚的か぀聎芚的に集䞭する のは難しいね。だけどデメリットもある。 たたには倖から適圓な刺数を受けないず、 自分のアヌトに新たな面やアむディアが生 たれにくいんだ。お、そういう刺数は掻気 のある環境にいた方が受けやすい。だから 時々、わざわざ郚䌚の文化に身を投じる必 芁があるず思うんだ。あるいは、僕らがよ くやるように旅に出るのもいいね」 倖の䞖界で起こっおいるムヌノメント ずは距離を眮いおいるあなたたちですが、 クラりデッド、ブヌム・ビップ、ベックな ど、間隔は長いけど他人のリミックスは継 続的に行なっおきおたすね。 マむク「リミックスの仕事に぀いおは、


ックリするくらい物りを持っおるよ。実際、 5回に1回くらしか匕き受けおないしね。 ビッグなアヌティストの仕事も断わった。 忙しかったずいうのもあるけど、倧抵は自 分たちの䞖界ずそのアヌティストの䞖界ず の間に接点を感じないからなんだ。 で、その䞭でもベックは数少ない離れが たいミュヌゞシャンだ。䞀床、取っ掛かり を掎んで理解しちゃうず、圌が出すもの党 おが欲しくなる。最近のありきたりな音楜 が溢れる海の䞭で、ベックは未だに玠晎ら しい音楜を䜜るかがり火ずなっお、新䜜を 出すたびにみんなをアッず蚀わせおくれお るんだ。圌は人気があるし、MTVでもク リップがしょっちゅう流れるから、䞭には "裏切り者”呌ばわりする人もいるけど、 勘違いも甚だしいね。そもそもベック自身 が自分をポップ・アヌティストずしお捉え おるんだ。無理をしおクヌルでアンダヌグ ラりンドなずころに留たろうなんお思っお ない。それっお、自行がある蚌拠だよ。匱 さずは逆だ。䞖の䞭にいるクリ゚むティノ なバンドがもっずそういうアプロヌチを取 るようになれば、ポップ・チャヌトも今よ り面癜くなるんんじゃないかな」 では、最近お気に入りの音楜は マヌカス「僕らは垞に新しい音楜を芋出す ようにしおるけど、最近のものも30幎くら い前のような凄く叀いものもたんべんなく 聎いおる。僕は、スフィアン・スティヌノ ンス、ビヌチ・ボヌむズ、ゞョむ・ゞッパ -、ダむクハりス、ゞョン・フルシアンテ なんかをよく聎くね」 ヌボヌズ・オブ・カナダの䜜品は、旅を した時に味わうような特別な䜓隓を提䟛し おくれるず思うんですが、これからの人生、 あなたたちは音楜を通じおどんな旅をしお いきたいず考えおいたす マむク「僕は昔から音楜を超えお䜕かをし たいず思っおた。できれば䞖界䞭を旅し お、ワむルドな冒険をしたいね。特に、北 極に行くチャンスがあるずいいんだけど。 レコヌド䌚瀟に掛け合っお、あそこでビデ オを撮らせおもらおうかな^_^」

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