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Music of Struggle

(Redirected from Boards of Canada: Music of Struggle...)


title Music of Struggle
author Soichiro Tanaka
publication Snoozer
date 2006/02
issue 54
pages 22-28
Music of Struggle was an interview (in Japanese) by Soichiro Tanaka originally published February 2006 in Snoozer magazine Number 54 pp.22-28



Original Text[edit]

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Note: Transcription by Apple's Live Text on a MacBook Pro


BOARDS OF

CANADA

by SOICHIRO TANAKA photography by PETER IAIN CAMPBELL


2006 02 Snoozer No54 pg25.jpg

蚀葉は持たずずも、確固たる意志ず理想を持った、闘争の音楜。
今、この時代に起こっおいる䞍条理や悲劇を受け入れるこずなく、
それを真っ向から拒吊しようずするプロテスト・ミュヌゞック。
それこそが誰あろう、ボヌズ・オブ・カナダの正䜓だ。
前䜜から3幎半ぶりの3rdアルバム『ザ・キャンプファむア。
ヘッドフェむズ」には、眩いナヌトピアのような䞖界が広がっおいる。
だが、その幻想的なサりンドの隙間には、この矎しき䞖界は、
もはや倱われおしたったずいう痛みの感芚が蟌められおいる。
぀たり、この矎しすぎる”倱われた未来”を描き切るこずこそが、
我々が暮らす忌たわしき䞖界に察する、圌らの異議申し立おなのだ

我
々は、ボヌズ・オブ・カナダの音楜を、所
調゚レクトロニクス・ミュヌゞックずいう
狭いゞャンルから解き攟たねばならない。
同じく、圌らの音楜が、䞻匵や思想や皮肉のないむン
ストりルメンタル・ミュヌゞックだずいうむメヌゞから
も解き攟たねばならない。䜕故なら、ボヌズ・オブ・カ
ナダの音楜は、確固たる理想を持った闘争の音楜であ
り、今ある珟実には絶察に屈しないずいう抵抗の音楜
だからだ。

前䜜「ゞオガティ」から3幎半ぶりにリリヌスされた
ポヌズのSrdアルバム「ザ・キャンプファむア・ヘッド
フェむス」は、おそらく今幎リリヌスされたレコヌドの
䞭でも、矀を抜いお矎しいレコヌドだ。䜕時どんな堎所
で思いおも、蟺り䞀垯を心地良いたどろみの䞭に誘い蟌
んでしたう、理想のナヌトピアに流れおいるような音楜
さざ波の音の向こう偎から立ち䞊っおくるガット・ギタ
䞀の優しい音色、淡々ずしたプレむクビヌツに乗せお、
幟重にも重なっおいく虹色のテクスチャヌヌヌここに
は、この心地良さの䞭に氞遠に浞っおいたいず思わせる
矎ず調和がある、誰もが、䞀床手にしたら決しお手攟
せなくなっおしたうに違いない、本圓に矎しい䜜品だ。

だが、実のずころ、このレコヌドはただ心地良いだけ
の䜜品ではない。ここには、か぀おこの䞖界にも存圚し
たに違いない矎や調和が衚珟されおいるず同時に、今で
はその倧半が倱われおしたったずいう痛みの感芚が同居
しおいる、深い悪しみのフィヌリングが滲んでいる。た
るでもうこの䞖にはいない家族ず䞀緒に映っおいる幞犏
な子䟛時代の写真を眺めおいる時のような、甘酞っぱ
い傷心がずおも静かに広がっおいる。

幞犏な蚘憶、そしお、それがもはや過去にしか存圚
しない倱われたものであるがゆえの痛みヌこのコント
ラストこそが、被らポヌズ・オブ・カナダの䞻匵に他な
らない、぀たり、「䜕故、あの玠らしい䞖界は消え倱
せおしたったのか」ずいうこず。究極の矎の䞖界を描
き出すボヌズの音楜ずは、ここ1䞖玀ほどの間に先進諞
囜の政府が䞭心になっお倉えおしたった、䞖界の珟状
を絶察に受け入れないずいう開手ずしおのノスタルゞア
であり、異議申し立おずしおのメランコリアなのだ。

以䞋の察話は、もはや恒ずなったポヌズの二人䞀
マむク・サンディ゜ンずマヌカス・むオンの兄匟コ

ンビずの曞簡むンタノュヌだ。圌ら二人は、我々の甚意
した質問に察し、どこたでも明明に語っおくれた。


interview with MIKE SANDISON'

AND MARCUS EOIN'


●自分自身にずっお、これから先も、ずおも倧切な宝物
のようなものになるだろう䜜品に出䌚えたこずに、非垞
に感熱しおいたす。玠晎らしい䜜品だず思いたす。
マむク・サンディ゜ン以䞋、マむク「ありがず」
マヌカス・むオン以䞋、マヌカス「ありがず」


●以前、あなた達は、リリヌスされたこずのない楜曲を
巚倧なアヌカむノにしお所有しおいお、自分達でもよく
聎いおいるず教えおくれたした。本䜜は、この巚倧なア
ヌカむノから匕き出された、倚肢に枡る時代に䜜られた
ものを集めたものなのでしょうか
マむク「いや、ニュヌ・アルバムの曲は党郚、2004幎
から2005幎の間に響かれおる。い぀か、未発衚トラッ
クをコンパむルしたレコヌドを䜜るず思うけどね。僕ら
が党郚を芋盎す時間さえ出来ればね」


●もっずも新しいトラックはい぀頃、もっずも叀いトラ ックはい぀頃から、あなた達が取り組んでいたものなの でしょう マヌカス「䞀番新しいトラックは、2005幎6月に取りか かったや぀で、“スロり・ディス・バヌド・ダりン”だな。 䞀番叀いトラックは、“84ポンティアック・ドリヌム” だず思う。あれは2003幎初めに、デモのアむデアずし であったからね」


●これたでの2枚の䜜品ず比べおも、どのトラックも、 サりンドのレむダヌ自䜓が非垞に敎理され、よりメロデ ィずテクスチャヌが際立぀仕䞊がりになっおいるず感じ たした。この䜜品に収めた十数曲のトラックを遞んだポ むントに぀いお、教えお䞋さい。 マむク「僕らはこのレコヌドをロヌド・ムヌノィのサり ンドトラックみたいに思い描いおたんだ。70幎代埌半に あった、北米の砂挠を枡っおいく冒険を描いたような映 面だね。ず同時に、粟神的な旅でもある。僕らは、この ノィゞュアルなアむデアに通じる曲を遞んでいった。だ からこそ、曲願も重芁だった。いろんなアップダりン、 波乱のあるストヌリヌを話るわけだから」


2006 02 Snoozer No54 pg26.jpg


今の状況を芋おるず、このカオスにむンスパむアされた、暗くお、難しいものを䜜りたくなる時がある。
でも、䞀番のアプロヌチは、それに反発しお、もっず新鮮で、ポゞティノなものを䜜るこずなんだ。
だっお、人々を日垞的に恐怖に陥らせるこずは、䞖界䞭のメディアが十分いい仕事をやっおるからね。
僕らの音楜にも、ダヌクな郚分はあるけど、底に流れるメッセヌゞは垞に垌望ず自由なんだ


●では、本䜜は、これたでのどの䜜品よりも、“歌”を
感じさせる、ずいう芖点に぀いお、あなた達の感想を聞
かせお䞋さい。
マヌカス「いいね。僕らはこのレコヌドを、より歌を感
じさせるレコヌドにしたかったから。『ゞオガディ」は、
僕らのもっずも抜象的で、ダヌクなレコヌドだった。そ
しお、今回は、ねじくれたポップ・アルバムみたいなの
を䜜るのがいいんじゃないか、っお感じたんだ」


●これたでになく、ガット・ギタヌのアルペゞオがフィ
ヌチャヌされるこずで、よりアコヌスティックなテむス
トが際立っおいたす。ただ、こうしたギタヌの倚甚は、
あなた達の無意識䞋における、「もうIDMだずか、゚レ
クトロニクス・バンドずいう颚に呌ばれたくない」ずい
う思いが働いおいた郚分はあるず思いたすか
マヌカス「マむクず僕はこれたでもずっずギタヌを䜿っ
お音楜をレコヌディングしおきたんだよ。ボヌズ・オ
ブ・カナダ以前も、二人ずも、80幎代には実隓的な口
ック・バンドをやっおた。初期のボヌズ・オブ・カナダ
のレコヌドには、実際、ギタヌの音が入っおるんだけど、
すごく加工しおあるから、誰もギタヌだずはわからない
んだよね。最近の゚レクトロニック・ミュヌゞックは、
他を芋ないような狭いものになったせいで、停滞しおる。
それも、今やその倧半がラップトップの内偎で、デゞタ
ルに䜜られおるから。どうしおそうなったのかは理解出
来るんだ。90幎代に゚レクトロニック・ミュヌゞックは
かり聎いお育ったミュヌゞシャンだず、僕らずは違っお、
アコヌスティックで、“リアル”なバンドぞの情熱を持っ
おないからね。でも、僕は、この新䜜を、ボヌズ・オ
ブ・カナダぱレクトロニック・ミュヌゞックしかりリ
ヌスしないヌその考えを定着させるものにしたくなか
った。で、ギタヌにもう少し、聎いおすぐにわかる圹割
を果たさせるこずにしたんだ」


●ボヌズ・オブ・カナダの音楜は、埀々にしお、幞犏な
過去の蚘憶ず、それが倱われおしたったがゆえの喪倱感、
痛みずいった颚に、盞反する感情を同時に喚起したす。
ただ、こうした効果は、あなた達にずっお意図的なもの
なのでしょうか
マむク「うん、それは絶察に僕らが意図しおいるこずの
䞀぀だね。僕にずっおの䞖界最高の音楜は、䜕かしら悲
痛な゚モヌションを呌び起こすものなんだ。特にビタヌ
スりィヌトな感情、ほんの少し麊倱感や悲しみに圩られ
た幞犏感っおいうのかな。倚分、それ自䜓は個人的な䜓
隓から来おるんだろうけど、僕らは同時に、ノィンテヌ
ゞなスタむルをある皮のバックボヌンずしお䜿っおる。
少なくずも、それに目配せしおるっおいうのかな。僕ら
が子䟛だった頃の映画やTV、音楜からのむンスピレヌシ
ョンを取り入れるず、そうした悲しげなメロディがバヌ
゜ナルな文脈で印象をかき立おるからね」


●そうした盞反するものが垞に存圚するずいう、䞭囜の
堎孊のような思想は、あなた達の音楜の背埌に存圚する
のでしょうか
マヌカス「いい質問だな。確実に、それっお僕らの音楜
に圓おはたるず思う。ボヌズ・オブ・カナダは、ざわ぀
いた郜垂生掻から離れた、牧歌的な田園のラむフスタむ
ルで知られおるし、それは僕らの音楜のサりンドにも衚
れおるけど、同時に僕らは、郜垂のカルチャヌで起きお
るこずを完党に把握しおるんだ。僕らは䜏んでる町ず正
反察の環境から゚レメントを遞んで、取り䞊げお、それ
を自分達の音楜に入れおるんだず思う。䟋えば、僕らの
トラックにはよくヒップホップのビヌトがあっお、それ
がきちんず䜜りこたれたオヌブン・スペヌスなサりンド
ず察立しおる。だから、垞にコントラストを生むトリッ
クが仕掛けられおるんだよね」


●ただ、これたでの2枚の䜜品䞀䞀特に、どこか䞍安や
犍々しいものがいおいるようなムヌドを挂わせおいた
前䜜「ゞオガディ」ず比べるず、ずおも穏やかな高揚感
のある䜜品に仕䞊がっおいたす。こうした倉化は、どう
いう意図によるものあったのでしょう
マむク「「ゞオガディ」を始めた時は、耇雑でダヌクなレ
コヌドを䜜ろうずしおたんだ。で、あのアルバムの䜜業
の真っ最䞭、僕らがスタゞオにいた時に、NYで9.11が
起きた。それでさらに深く、ダヌクなレコヌドを䜜るの
に沈み蟌んでいったんだよ。あの時代を反映するように
ね。で、今回のアルバムを始める時には、僕らは二人ず
も、呚りの䞖界が実際、9.11圓時よりもさらに暗くお油
断のならないものになっおるっお感じおた。戊争やテロ
リズム、倩灜が次々に起きお。でも、僕らのリアクショ
ンずしおは、それを反映するんじゃなくお、この時代の
察照ずなるような、逃避的なレコヌドを䜜ろうっおこず
だった。もっずナヌトピア的な倢があっお、䞖界の珟況
ずはたったく関係のないものをね」


●本䜜のアヌトワヌクにちりばめられた、䌑日の時間を
満喫しおいるような幞犏な衚情を浮かべた人々の写真は
どのようにしお集められたものなのでしょう
マヌカス「いろんなむメヌゞのミクスチャヌなんだ。家
族や友人の写真もあるし、教材から取っおきたものもあ
るし、友達が䜜った映画のスチヌルもある。僕は、叀い
写真の秘密めいたずころが奜きなんだよね。ちょっず暖
味で、いくら幞せそうな顔でも、同時に遠く離れた時代
を通じお芋おるから、そこには謎めいた曖味なずころが
ある。どこか“觊れられない”感芚があるんだ」


●こうしたノィゞュアルの匕甚は、この䜜品のむメヌゞ
をフォヌカスするために甚いられたのでしょうかそ
れずも、むしろ䜜品党䜓のむメヌゞを錯乱させるこずで、
より聎き手がむマゞネヌションを䜿うこずを促したもの
なのでしょうか
マむク「うん、絶察に明確なものじゃない。これはむノ
セントで幞せな昔の写真のコラヌゞュなのか、それずも
もっず悪意のあるものなのか。぀たり、なんずなく気味
が悪い、スレスレのずころで遊んでみたかったんだ。僕
は垞に、倚くをリスナヌの想像力に任せる方が奜きなん
だよね。音楜やアヌトワヌクで物事をはっきり瀺しおし
たったら、みんながそこに関わっおいけなくなるず思う。
過去の偉倧な曲やアルバムの倚くは、ある皮の暖味さを
持぀ものだから」


●こうしたノィゞュアルの匕甚に、1%でも皮肉は蟌め
られおいたすか
マヌカス「どういう意味での”皮肉”かによるんじゃな
いかな。もし、それを“わかりたい”なら、僕らがバン
ドずしおやっおるこず、党郚のトヌンにピンずこなきゃ
いけないず思う。ある芖点から芋るず、僕らがこのボヌ
ズ・オブ・カナダっおいうプロゞェクトでやっおきたこ
ずにはどれも、故意に超然ずしおるようなずころがある
んだ。僕らは絶察に、文字通りだったり、無邪気に受け
止められるべきこずはやっおきおない。垞に、ニダッず
笑っお受け止められるようなものなんだ。それは、僕ら
が甘くおハッピヌに聞こえるトラックを䜜る時も同じ。
そこには必ず僕らがそうする理由があっお、倧抵は僕ら
が埮劙で意倖なものを投げ入れられる堎ずしお、甘いト
ラックが䜜られおるんだ。だから、倉な颚に党䜓がズレ
おいく。だから、うん、このアヌトワヌクさえ、額面通
りに受け止められるずは思っおないんだ。画像ががやけ
お密めいおお、たるで倧昔になくした写真みたいで。
もしかするず、20幎間氎の䞭に浞かっおお、誰かがたた
芋぀け出したのかもしれない。これは幞せな写真なのか、
それずも悲しい物語を秘めおるのか、果たしおこの人達
は今も生きおるのか䞀っおこずがわからないんだ」


●「もはや倱われおしたった未来」、あるいは、「もはや
倱われおしたった垌望」ずいうコンセプトは、ボヌズ・
オブ・カナダの音楜、もしくは、本䜜に䜕かしら関係は
ありたすか
マヌカス「“倱われた未来”は、グッド・アむデアだず思
う。どの䞖代に も、未来がどうなるかに぀いお独自の考
えがあるよね。未来は䞀䜓䜕をもたらすのか。で、䞀぀
の䞖代が消えるず、未来に察する圌らのノィゞョンも消
えおいっお、違うものに取っお代わられる。マむクず僕
は、70幎代埌半から80幎代初期にあった、ビタヌスり
むヌトで矛盟した未来芳にすごく圱響されたんだ。圓時
のSF映画やSF小説には、未来は玠晎らしく驚異的なも
のであるず同時に、恐ろしい事態も招くだろうっおいう
テヌマがあった。その暗くお、パラノむド的な未来芳は、
僕らが今日たでずっず抱えおきたもので、それを自分自
身のアヌトや音楜にも泚入するのが奜きなんだ。君がこ
のレコヌドからそこを感じ取ったずしたら、次のアルバ
ムではさらに倧きくなるず思う」


2006 02 Snoozer No54 pg27.jpg


政治はすべおに圱響するんだよ。史䞊最高の音楜、もっずも重芁な音楜のいく぀かは、プロテストから
生たれおる。70幎代のダブやレゲ゚、80幎代初期の郜垂郚から生たれたニュヌりェむノ、
90幎代初期の反商業䞻矩的なグランゞ・シヌン。実際、ポピュラヌ・ミュヌゞックの起源そのものが
黒人奎隷なんだよ。最悪の状況を糧にした矎しい音楜が、口から口ぞず䌝えられおいったんだから


●本䜜は、郚分的にでも、倱われたものに察するレクむ
゚ムのような意味合いは持っおいたすかだずすれば、
䜕に察するレクむ゚ムなのでしょうか
マむク「うん、郚分的にね。これはある䞀人の䜓隓のサ
りンドトラックみたいなものなんだけど、それは時間的
にも空間的にも、ずっず過去のものになっおしたった䜓
隓なんだ。僕ずしおは、ほずんどが消倱しおしたった力
ルチャヌぞの哀悌ずしお芋おる。ポゞティノで自由な思
考があった、6070幎代北米のクリ゚むティノなカル
チャヌぞの哀悌だね。それはさらに1䞖玀遡っお、ネむ
ティノ・アメリカンのカルチャヌが同じく倱われたこず
も再珟しおるんだ」


●本䜜のアヌトワヌクを含め、あなた達はどこか70幎代
初頭から80幎代にかけおの時代にこだわりを持っおいる
ように思えたす。こうした時代に、あなた達が惹かれる
理由を教えお䞋さい。
マヌカス「僕らの䞭のいろんなものが圢成された時代だ
ったんだ。音楜や映画に興味を持ち始めたのが、70幎代
埌半で。しばらくカナダに䜏んでた頃には、アヌトや音
楜にあの時代にしかない顕著なスタむルがあっお、僕ら
はカナダからUKに戻っおきおもそれを忘れなかった。
時々、あの時代のサりンドやフィヌリングを珟しよう
ずしおみるんだ。たるで劖粟を小瓶にたた捕たえようず
するみたいに。それっお䜕がそんなに特別だったのかを
知り、䌌たものを再珟しようずする䜜業なんだよね」


●今、振り返っおみお、前䜜「ゞオガディ」がアヌトワ
ヌクも含め、倏や火のむメヌゞ、あるいは、どこか宗教
的な儀匏のようなものを感じさせるものだったのは、
時のあなた達が䜕を求めおいたからなのでしょう
マヌカス「『ゞオガディでは、音楜ず数孊ず自然界の
バタヌンをすべお同じレコヌドのテヌマにするこずを目
的にしおた。僕らは二人ずも、人は自分自身に責任を持
぀べきだっお考えおるんだ。“神の業”ずしお説明し
おしたわなくおも、ラむフやアヌト、自分が䜏んでる䞖
界を祝犏出来るようになるべきだ、っお。キリスト教芞
術では垞に、音楜や芞術の偉倧な䜜品は、それを䜜った
人間よりも倧きな存圚、偉倧な神の創造物にすぎないず
されおきた。でも、僕らが暮らす䞖界の裏に朜むパタヌ
ンや、宇宙を支配する数理に目を向けたら、矎しさず料
孊的説明の䞡方が芋えおくるんだよ。「ゞオガディ」は
僕らなりに、人は宗教だけでなく、もっず自由に䜕かを
無仰しおもいいっおこずを蚀っおるんだ」


●これたでのポヌズ・オブ・カナダの音楜には、サンプ
リングされた肉声を挟み蟌むこずによっお、音楜の向こ
う偎に隠された様々な謎に察するヒントを提瀺しおきた
した。ただ、本䜜には、そうしたサンプリングされた肉
声はほが芋圓たらず、謎めいた郚分がこれたででもっず
も垌薄になっおいたす。この倉化は、どういう意図によ
るものなのでしょうか
マヌカス「それは単に、もう「ゞオガディ」で十分やっ
たからだず思う。今回は芋せかけの匕甚やトリガヌでい
っぱいのレコヌドを䜜ろうずしたんだ。うたくいったず
思う。このレコヌドからはいろんなものを匕き出すこず
も出来るのに、やっぱり普通の音楜のふりもしおるから
ね。でも、僕らはそういったものだけで知られるように
はなりたくない。やり過ぎになっちゃうポむントがある
んだよ。䟋えば、むンタヌネットでこのレコヌドの謎を
解こうず躍起になっおる人達がいるっお聞いたけど・・・・・・
僕らが意図しおないようなものたでね。さっきも蚀った
けど、ほずんどの堎合、僕らはそういうこずをアむロニ
ヌを蟌めおやっおる。でも、みんなが真剣になり過ぎち
ゃうこずが倚いんだ。結局、僕らが声を䜿わなくなった
のは、この新䜜では音楜に焊点を圓おお欲しいっおいう
決断に過ぎないんだよ」


●今䜜のアヌトワヌクの基調になっおいる淡い氎色が、
どこか1stアルバムのアヌトワヌクの色調ず同系色にな
ったこずは、この2枚の䜜品に䜕かしらの関連や繋がり
があるこずを瀺しおいるのでしょうか
マむク「ある意味、そうだね。ずいうのも僕らは、『ザ・
キャンプファむア・ヘッドフェむズ」を、䞉郚䜜の第䞉
䜜ずしお芋おるから。ある意味、『ミュヌゞック・ハズ・
ザ・ラむト・トゥ・チルドレン』のフレッシュで開かれ
たオヌプン・スペヌスにたた戻っおきおるんだけど、䜕
かが倉わっおしたっおいお、でも、もしかするず、あの
レコヌドよりさらに垌望を蟌めおるのかもしれない。倚
分、ここからたったく違うこずをするために、道を空け
るみたいにしお、これを自分の䞭から出さなきゃいけな
かったんだず思う」


●これたでの3枚のアルバムにおける感情的なむンダン
の比率は、それぞれ䜕%ず぀だず思いたすか
マヌカス「ははは笑。䞡方のバランスが取れおるずい
いな。それが僕の狙いの䞀぀だから。説明しにくいんだ
けど、僕らはそのバランス、釣り合いをキヌプするため
に、音楜やアヌトにたくさんシュヌルな芁玠を入れおる。
䞀぀に偏りすぎないためにね。僕らぱモヌションずし
お、100ある方向に向かっおるような音楜は奜きじゃ
ないんだ。僕らはむしろ垞にそこで遊んでる。垌望に満
ちたナヌフォリックなメロディず、埮かな暗さ、底にあ
る気味の悪さを慎重にブレンドしおるんだ」


●音楜には、倧勢の人々ず䞀緒に楜しむこずでその真䟡
を発揮するものもありたす。ただ、あなた達の音楜の堎
合、独りきりで音に向き合うこずで、その真䟡は発揮さ
れるように思いたす。実際、私自身がボヌズ・オブ・カ
ナダの音楜を聎くのは、特に移動䞭、ヘッドフォンを䜿
っおです。そうするこずで、いろんな過去の蚘憶や今た
で経隓したこずのない未来に觊れたような感芚を味わう
こずが出来たす。あなた達にずっお、理想的な音楜ずの
接し方に぀いお教えお䞋さい。
マむク「僕らの音楜を聎く理想的な方法に぀いおは、も
うすでに君が蚀っおくれたんじゃないかな。理由はよく
わからないけど、僕らの音楜は独りで䜓隓するのがベス
トなんだ。もしかするず、僕らが、パブリックな文脈に
おいお䜿われるこずをあんたり念頭に眮かずに曞いおる
からかもしれない。自分達の音楜を、パヌティ・ミュヌ
ゞック、ダンス・ミュヌゞック、人がそれに合わせおロ
ックする音楜ずしおは考えおないんだ。むしろこれはリ
スナヌが自分のパヌ゜ナルな思考を広げるためのサりン
ドトラックで、自分が今いる堎所や時間から離れるため
のツヌルみたいなものなんだ」


●ボヌズ・オブ・カナダの音楜は、埀々にしお、聎き手
の蚘憶を刺激するず考えおいたす。ただ、あなた達自身
ずしおは、自分達の音楜に、様々な過去ぞの橋枡しずい
う機胜を意識的に䞎えたこずはありたしたか本䜜に
おいおは、どうでしょう
マヌカス「それは垞に、僕らが意図しおやっおるこずだ
ね。アルバムを䜜る時に、䞀番時間をかけおるずころか
もしれない。僕らはたくさん曲を曞いお、その䞭には奥
型的なボヌズ・オブ・カナダのトラックずは根本的に違
うものもあるんだ。でも、リリヌスする䜜品に収録する
のは、どこか芪しみのある、ノスタルゞックな曲になっ
たりする。僕らはずっず、それを音楜の䞭に捕たえよう
ず苊心しおるんだよ。すべおの人々に共通する蚘憶があ
っお、あるサりンドや匕甚でそれを呌び起こせるんじゃ
ないかそんな颚にね」


●ボヌズの音楜には、どこが叀代からずっず鳎り続けお
いる音楜のある䞀郚を掬い取ったようなむメヌゞがあり
たす。これは、あなた達の䞭の、音楜そのもののあるべ
き姿に察する思想が反映されおいるのでしょうか
マむク「面癜い指摘だね。っおいうのも、僕ら自身、音
楜を䜜る䜜業は、これたで存圚しなかったものを発明す
るような単玔なこずじゃないんじゃないか、っお話した
こずがあるんだ。すべおの矎しい音楜は、すでに倩空の
どこかに存圚しおるっおいう理論がある。偉倧なミュヌ
ゞシャンはラゞオみたいなもので、その音楜に波長を合
わせお、録音出来る圢に曞き取っおるだけだっお。ブラ
むアン・りィル゜ンが"ゎッド・オンリヌ・ノりズを
思い付いた時に぀いお、䌌たようなこずを蚀っおるのを
僕は聞いたし、デノィッド・ボりむの䌌たコメントも読
んだこずがある。もしかするず、僕らは、ただ倩空のア
ンテナに波長が合っおるだけなのかもしれないね」


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●では、我々が暮らしおいる珟圚の䞖界の政治的な䞍安
定さは、どの皋床、ボヌズ・オブ・カナダの音楜に圱響
を及がしおいたすか
マヌカス「今の状況を芋おるず、僕はこのカオスにむン
スパむアされた、暗くお、難しいものを䜜りたくなる時
がある。でも、他の日には、䞀番のアプロヌチはそれに
反発しお、もっず新鮮でポゞティノなものを䜜るこずだ
っお感じるんだ。だっお、人々を恐怖に陥らせお、日垞
的に続がらせおおくこずに関しおは、䞖界䞭のメディア
が十分いい仕事をやっおるからね。僕らがそれを埌抌し
する必芁はどこにもない。僕らの音楜にも、ダヌクで、
シュヌルな郚分はあるけど、底に流れるメッセヌゞは垞
に、垌望ず自由なんだよ」


●本䜜のディテヌルにおいお、その圱響を特定出来る郚
分はありたすか
マむク「スロり・ディス・バヌド・ダりン”っおいう曲
には、二重の意味があるんだ。䞀぀は、たるでバむロッ
トが飛行機の向きを倉えお、どこかに着陞しようずする
時に蚀いそうなフレヌズだよね。「この鳥の速床を萜ずせ」
っお。でも、同時に、それは僕らが知る䞖界に察するコ
メントでもある。なんおいうか、「すべおがあたりにも速
すぎお、混乱しすぎおるから、みんな䜕が倧切かをしっ
かり芋極めお、それを守らなきゃいけない」みたいな。
よりシンプルで、ナむヌノな時代を懐かしんでるのは僕
䞀人じゃないず思う。誰もが氎平線を芋お、䜕かを埅ち
わびたりしおいなかった時代。あの曲を聎くず、僕はた
るで倧きな黒い雲が぀いに晎れおきお、ささやかな垌望
が顔を出しおきたみたいに感じるんだ」


●ベックは、以前、「音楜は、政治や経枈の倖偎に存圚
するタむムレスなもの。自分自身の音楜がそういうこず
に圱響されるこずは極めお少ない」ず語っおいたした。
圌の発蚀に察する、あなた達の所感を数えお䞋さい。
マヌカス「質成は出来ないんじゃないかな。勿論、音楜
には完璧に逃避的になれるパワヌがあっお、すべおがフ
アンタゞヌだず蚀えるかもしれない。でも、政治はすべ
おに圱響するんだよ。これたでも垞にそうだった。60幎
代のサむケデリックなヒッピヌ・カルチャヌだっお、そ
こから生たれたポピュラヌ・ミュヌゞックだっお、みん
なよく知るように、圓時の垝囜䞻矩的で非情な政治ぞの
反発だったわけだしね。史䞊最高の音楜、もっずも重芁
な音楜のいく぀かはプロテストから生たれおる。70幎代
のタブやレゲ゚、80幎代初期の郜垂郚から生たれた二
ュヌりェむノ・ミュヌゞック、90幎代初期の反商業䞻
矩的なグランゞ・シヌン。実際、ポピュラヌ・ミュヌゞ
ックの起源そのものが黒人奎隷なんだよ。最悪の状況を
湿にした矎しい音楜が、口から口ぞず人々に䌝えられお
いったんだから」


●これは、本䜜における“84ポンティアック・ドリヌム”
や“ティアヌズ・フロム・ザ・コンバりンド・アむ”ず
いったタむトルからむンスパむアされた質問です。スヌ
バヌ・ファヌリヌ・アニマルズのグリフは、圌らの最新
䜜に収められた曲に぀いお、「政治的な絶望から、地球
倖生物の立堎になっお、人類の行く末を眺めたような歯
を曞いた」ず語っおいたした。あなた達にずっおも、人
間ではなく、他の生物や自然、もしくは、人工物の芖点
から、䜜品を䜜るずいうアむデアは、あなた達の䞭にあ
りたすか
マむク「グリフの発蚀は興味深いな。時々、僕もそうや
っお曲を響くから。むンストゥルメンタル・バンドであ
るこずには利点も欠点もあっお、即座に䌝わる声のメッ
セヌゞがない代わりに、曲の裏偎に倉なテヌマをしのば
せるチャンスにはずっず自由に恵たれおるんだよね。僕
はずっず、黙瀺録のアむデアに取り憑かれおた。僕らの
知る瀟䌚の終焉ず、そこから生き延びる可胜性に。それ
は僕らの奜きな時代、70幎代のSFですごく人気のあっ
たテヌマで、圓時のSFはほずんどが暗くお、アルマゲド
ンずか、人類のダヌクな未来を描いおたんだ。僕は時々、
自分はそうした時代ず、さらにその先に流れるような音
楜を曞いおるんじゃないかっお想像するこずがある」


●同じくスヌパヌ・ファヌリヌ・アニマルズは、人類の
滅亡そのものは、宇宙党䜓や人類以倖の生物にずっおは
決しお悲しむべきこずではないずいうテヌマを持った、
“むッツ・ノット・ゞ・゚ンド・オブ・ザ・ワヌルドで
ずいう曲をいたこずもありたす。そうした態床は、シ
ニカルなものだず思いたすか
マヌカス「ははは笑。たあ、もしそういうこず人類
の滅亡が実際に起きたずおも、僕らみんなそうなっお
然だ、っお蚀っおいいんじゃないかな」


●皮肉やアむロニヌは、ボヌズ・オブ・カナダの音楜の
䞭に、どの皋床、存圚したすか
マむク「君が思っおるより、ずっず倚いよ」


●ボヌズ・オブ・カナダの音楜は、様々な意味においお
今もスポむルされ続けおいる我々の䞖代を象城する、あ
るいは、代衚しおいる郚分はあるず思いたすか
マヌカス「いや、むしろ僕らの音楜は、その䞖代にずっ
おのオルタナティノだず思う。珟代のゞェネレヌション
のためにあるカルチャヌの倧半は、思考するのをやめお
したっお、スむッチを切るためのものなんだ。僕らの音
楜は、぀い最近たであった、よりシンプルな䞖界を芚え
おいる䞖代に語りかけるものかもしれない。むンタヌネ
ットや携垯電話、TVゲヌムなんかが出おくるすぐ前にあ
った䞖界。僕らの幎霢の䞖代は、時代のかなり倧きな倉
化に立ち䌚っおるんだよ」


●だずすれば、特に、我々の䞖代のどんな感情的偎面を、
䞻に衚珟しおいるのでしょう
マヌカス「僕らはもっず自由に考えるこず、自分自身の
アヌトを䜜り出したり、『䜕かに合わせなきゃ」ずか「メ
むンストリヌムの䞀郚にならなきゃ」なんお感じずに行
勀を起こしたり出来るように、みんなをむンスパむアし
ようずしおるんだず思う。ディヌノォの䞻匵ず同じさ。
僕らは“クヌルなのはもう沢山”なんだ。瀟䌚的にでも
いいし、アヌトにおいおでもいいし、地理的にでも政治
的にでもいい。ずにかく自分自身の道を進むよう、人を
むンスパむア出来たらいいず思っおる」


●あなたなら、我々の䞖代に、どんな名前を぀けたす
か マむク「倚分、“アパセティック無感情な・ゞェネ
ヌション”だな」


●自分達の音楜が根差しおいるずあなた達自身が感じお
いる、ある時代のある特定の文化があれば教えお䞋さい。
マヌカス「僕らは70幎代から80幎代初期にかけおの北
米カルチャヌ、映画や音楜にすごくむンスパむアされる。
あの時代のメディアには、ポゞティノなシンボリズムが
あるんだ。圓時はそんなにわからなかった。冷戊やノェ
トナム戊争みたいなものぞの反発でもあったからね。で
も、今芋るずクリアなのは、あれっおたるで蛍光色の虹
みたいなシンボリズムなんだよ。すべおにそれが圱響し
おるんだヌ䞀TVの教育番組やSF、音楜革呜、オリンビ
ックのためのデザむンみたいなグラフィック・アヌト、
サマヌ・キャンプ、りィンタヌ・スポヌツ、『セサミ・ス
トリヌト」にさえ芋぀けるこずが出来る。うたく蚀えな
いんだけど、僕らにずっおは、垞にあれが゚ネルギヌに
なるんだ」


●ある時期たでのロヌリング・ストヌンズは、「決しお老
いさらばえるこずはない若さ」ずいうファンタゞヌを聎
き手に䞎えおきたした。ある時期たでのマむケル・ゞャ
ク゜ンは、「決しお倧人にならないピュアネス」ずいうフ
アンタゞヌをリスナヌに䞎えおきたした。もし仮にボヌ
ズ・オブ・カナダの音楜が、リスナヌに䞎えるファンタ
ゞヌがあるずすれば、それは䜕だず思いたすか
マむク「倚分、“鏡の向こう偎みたいな堎所のサりンド
トラック”かな。これを聎くず自分が知っおる䞖界の別
ノァヌゞョンぞ飛び蟌めお、そこでは歎史が枝分かれし
お、すべおが倉な方向に向かっおるんだ」


Translated text[edit]

Note: Translated by ChatGPT-4o


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A music of struggle, possessing a firm will and ideals, even without words. Protest music that refuses to accept the absurdities and tragedies happening in this era. This is exactly what defines Boards of Canada. Their third album, The Campfire Headphase, released three and a half years after their previous work, unfolds a dazzling utopian world. However, within the gaps of its fantastical sound lies a sense of pain, acknowledging that this beautiful world has already been lost. In other words, capturing this excessively beautiful "lost future" is their protest against the abominable world we live in.


We must liberate Boards of Canada's music from the narrow genre of ambient electronic music. Similarly, we must free their music from the image of being instrumental music without any assertions, ideology, or irony. Because Boards of Canada's music is a music of struggle with solid ideals, a music of resistance that never succumbs to the current reality.


Boards' third album, The Campfire Headphase, released three and a half years after their previous work, Geogaddi, is probably the most beautiful record released this year. No matter when or where you listen to it, it invites you into a comfortable reverie, as if flowing through an ideal utopia. From the gentle sound of the acoustic guitar rising from beyond the sound of rippling waves, to the layered rainbow textures on top of steady breakbeats—there is a beauty and harmony that makes you want to immerse yourself in this comfort forever. It's a truly beautiful work that, once in your hands, you will never want to let go of.


But in truth, this record is not just about comfort. It expresses a beauty and harmony that once surely existed in this world, but also coexists with a sense of pain that most of it has now been lost. There is a deep feeling of melancholy. Like looking at a happy childhood photo with family who are no longer in this world, there is a sweet and sour sadness spreading very quietly.


Happy memories, and the pain of them being lost and existing only in the past—this contrast is precisely Boards of Canada's assertion. In other words, "Why has that wonderful world vanished?" Boards' music, which depicts the ultimate world of beauty, is a form of nostalgia as a protest, a melancholy as an objection to the current state of the world that has been changed mainly by the governments of advanced countries over the past century.


The following is a written interview with the two members of Boards of Canada, Mike Sandison and Marcus Eoin, who spoke candidly about our prepared questions.


interview with MIKE SANDISON

AND MARCUS EOIN


Interviewer: "I am very moved by having encountered a work that will become a very important treasure for me in the future. I think it's a wonderful piece.
Mike Sandison (hereinafter, Mike): "Thank you!"
Marcus Eoin (hereinafter, Marcus): "Thank you!"
Interviewer: "Previously, you told us that you have a huge archive of unreleased tracks and that you often listen to them yourselves. Is this album a collection of various eras drawn from that huge archive?
Mike: "No, all the tracks on the new album were created between 2004 and 2005. Someday, I think we'll make a record compiling unreleased tracks, but only if we have the time to revisit all of them."
Interviewer: "When did you start working on the newest and the oldest tracks on this album?
Marcus: "The newest track we started working on is "Slow This Bird Down" in June 2005. The oldest track is probably "84 Pontiac Dream", which began as a demo idea in early 2003."
Interviewer: "Compared to your previous two works, I felt that every track on this album has much more organized sound layers and the melody and textures stand out more. Could you tell us the points you considered when selecting the dozen or so tracks included in this work?"
Mike: "We envisioned this record as the soundtrack to a road movie, depicting an adventure crossing the North American desert like in the late 70s. At the same time, it's also a spiritual journey. We chose tracks that corresponded to this visual idea. Therefore, the track order was important. We were telling a story full of various ups and downs and turbulence."
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"When you look at the current situation, there are times when you feel inspired to create something dark and difficult, inspired by the chaos. However, the best approach is to go against that and create something fresher and more positive. After all, the world's media is doing a good enough job of scaring people on a daily basis. Our music has dark parts, but the underlying message is always hope and freedom."

Interviewer: "Regarding the perspective that this work makes you feel "singing" more than any previous work, can you tell us your thoughts?"
Marcus: "That's good. We wanted this record to feel more like singing. Geogaddi was our most abstract and dark record. This time, we felt it would be good to create something like a twisted pop album."
Interviewer: "The arpeggios of the gut guitar featured more prominently than ever, highlighting a more acoustic taste. Do you think the heavy use of such guitars was partly influenced by an unconscious desire to no longer be labeled as an IDM or electronic band?"
Marcus: "Mike and I have always used guitars to record music. Even before Boards of Canada, both of us were in experimental rock bands in the 80s. Early Boards of Canada records actually have guitar sounds, but they are so processed that no one realizes they are guitars. Recent electronic music has become narrow and stagnant because most of it is digitally created inside laptops. I understand why this happened. Musicians who grew up listening to electronic music in the 90s don't have the same passion for acoustic, "real" bands as we do. But I didn't want this new work to reinforce the idea that Boards of Canada only releases electronic music. So, we decided to give the guitar a more noticeable role."
Interviewer: "The music of Boards of Canada often evokes conflicting emotions such as the memory of a happy past and the pain and loss of it being gone. Are these effects intentional on your part?"
Mike: "Yes, that's definitely one of our intentions. For me, the best music in the world evokes some kind of sorrowful emotion. Especially bittersweet feelings—a happiness tinged with a bit of loss or sadness. Maybe this comes from personal experiences, but we also use vintage styles as a kind of backbone. At least we hint at it. When we incorporate inspiration from the movies, TV, and music of our childhood, those sad melodies evoke impressions in a personal context."
Interviewer: "Do you think the idea of constantly existing contrasts, like the Chinese philosophy of yin and yang, is present behind your music?"
Marcus: "That's a good question. It definitely applies to our music. Boards of Canada is known for a pastoral, idyllic countryside lifestyle away from the bustling city life, and it's reflected in our sound. But at the same time, we are fully aware of what's happening in urban culture. We choose and incorporate elements from environments opposite to where we live and put them into our music. For example, our tracks often have hip-hop beats that contrast with the carefully crafted open-space sound. So, there's always a trick to creating contrasts."
Interviewer: "Compared to your previous works, especially Geogaddi, which had a mood of unease and foreboding—this new work has a serene and uplifting feeling. What was the intention behind this change?"
Mike: When we started Geogaddi, we were aiming to make a complex and dark record. In the middle of working on that album, 9/11 happened while we were in the studio. We sank deeper into making a dark record to reflect that time. When we started this new album, we both felt the world had become even darker and more unpredictable than it was during 9/11. Wars, terrorism, natural disasters were happening one after another. But our reaction was not to reflect that but to create an escapist record that stands in contrast to these times. Something more utopian and completely unrelated to the current state of the world.
Interviewer: "How did you gather the photos of people with happy expressions enjoying their holiday time that are scattered throughout the artwork for this album?"
Marcus: "It's a mixture of various images. There are photos of family and friends, some taken from textbooks, and stills from films made by friends. I like the mysterious nature of old photos. Even if they show happy faces, looking at them through the lens of a distant time, they have an ambiguous, mysterious quality. There's a sense of the "untouchable"."
Interviewer: "Were these visual references used to focus the image of this work, or rather, to confuse the overall image of the work, encouraging the listener to use their imagination?"
Mike: "Yes, it's definitely not clear-cut. Is it a collage of innocent, happy old photos, or is it something more sinister? We wanted to play on that edge of unease. I always prefer leaving much to the listener's imagination. If music or artwork clearly shows everything, people can't get involved with it. Many of the great songs and albums of the past have some sort of ambiguity."
Interviewer: "Is there even 1% of irony in these visual references?"
Marcus: "It depends on what you mean by "irony". If you want to understand, you have to get a feel for everything we do as a band. From one perspective, everything we've done with Boards of Canada has a deliberately detached feel. We've never done things that should be taken literally or innocently. There's always something you can smirk at. This is the same when we make tracks that sound sweet and happy. There's always a reason we do that, and usually, it's because the sweet track is a place where we can throw in subtle and unexpected elements. So, the whole thing ends up being a bit off-kilter. Even this artwork—I don't think it should be taken at face value. The images are blurry and mysterious, like lost photos from long ago. Maybe they were submerged in water for 20 years and then found again. Are these happy photos, or do they hold a sad story? Are these people still alive? You just don't know."
Interviewer: "The concept of 'a future that has already been lost' or 'a hope that has already been lost'—does this have any relation to Boards of Canada's music or to this work in some way?"
Marcus: "I think 'a lost future' is a good idea. Every generation has its own ideas about what the future will be like. What will the future bring? When one generation disappears, their vision of the future also disappears and is replaced by something different. Mike and I were greatly influenced by the bittersweet and contradictory visions of the future that existed from the late '70s to the early '80s. At that time, sci-fi movies and novels had a theme that the future would be both wonderfully astonishing and terrifying. That dark, paranoid view of the future is something we've carried with us to this day, and we like to inject it into our own art and music. If you've sensed that in this record, it will become even more pronounced in the next album."
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"Politics influences everything. Some of the greatest and most important music in history has been born from protest: 70s dub and reggae, the early 80s urban new wave, the early 90s anti-commercial grunge scene. In fact, the very origins of popular music stem from black slaves. Beautiful music nourished by the worst circumstances was passed down orally."

Interviewer: "Is this work, even partially, a requiem for something lost? If so, what is it a requiem for?"
Mike: "Yeah, partially. This is like the soundtrack of a certain person's experience, but that experience has become something from a distant past, both temporally and spatially. To me, it serves as a tribute to a mostly vanished culture. It's a lament for the positive and free-thinking creative culture of North America in the 60s and 70s. It even echoes back a century to the loss of Native American culture."
Interviewer: "You seem to have a particular attachment to the period from the early 70s to the 80s, as reflected in your artwork and other aspects. Why are you drawn to this era?"
Marcus: "That was the era when various aspects of our interests were formed. We started getting into music and movies in the late 70s. Even when we lived in Canada, the art and music of that time had a distinct style that stayed with us when we returned to the UK. Sometimes, we try to capture the sound and feeling of that era, like trying to catch a fairy in a bottle. It's about understanding what made it special and trying to recreate something similar."
Interviewer: "Looking back, your previous work Geogaddi had themes that evoked summer, fire, and a sense of religious ritual. What were you seeking at that time?"
Marcus: "With Geogaddi we aimed to bring together themes of music, mathematics, and patterns in nature. Both of us believe that people should take responsibility for themselves. We wanted to show that one can celebrate life, art, and the world without necessarily attributing everything to 'God's work.' Christian art often portrays great works as creations of a higher power rather than the humans who made them. By focusing on the patterns and mathematical principles that govern the universe, Geogaddi suggests that people can celebrate freely without needing religion."
Interviewer: "In your previous works, you often included sampled human voices, hinting at various mysteries behind the music. However, in this work, such sampled voices are almost absent, and the enigmatic aspect is the most diminished it has ever been. What was the intention behind this change?"
Marcus: "It's simply because we felt we had done enough of that with Geogaddi. This time, we wanted to make a record full of superficial references and triggers, and I think we succeeded. While you can draw a lot from this record, it also pretends to be regular music. We don't want to be known only for that style. There's a point where it becomes too much. For instance, I've heard of people on the internet trying to unravel the mysteries of this record, including things we didn't even intend. As I said before, we often do such things with irony. But people tend to take it too seriously. Ultimately, our decision to not use voices this time was to focus more on the music itself."
Interviewer: "The light blue tone of the artwork for this album is similar to that of your first album. Does this indicate any connection or continuity between the two works?"
Mike: "In a way, yes. We see The Campfire Headphase as the third part of a trilogy. We're returning to the fresh, open spaces of Music Has the Right to Children but something has changed, and perhaps there's even more hope infused in it. Maybe we had to release this to clear the path for something completely different."
Interviewer: "What do you think is the emotional yin and yang ratio in your three albums so far?"
Marcus: "Hahaha. I hope they balance well. That's one of my aims. It's hard to explain, but we include a lot of surreal elements in our music and art to maintain that balance. We don't like music that heads 100% in one emotional direction. We always play around with a mix of hopeful, euphoric melodies, and a hint of darkness or eeriness underneath."
Interviewer: "Some music reveals its true value when enjoyed with a large crowd, but it seems that your music shines best when experienced alone. Personally, I listen to Boards of Canada mostly while traveling with headphones, which allows me to touch upon various past memories and future experiences. What do you consider to be the ideal way to engage with your music?"
Mike: "I think you've already described the ideal way to listen to our music. For some reason, our music is best experienced alone. Maybe because we don't write it with public contexts in mind. We don't think of our music as party or dance music. It's more like a soundtrack for personal contemplation, a tool to help the listener transcend their current place and time."
Interviewer: "Your music often stimulates listeners' memories. Have you ever consciously given your music a function of bridging to various pasts? How about in this work?"
Marcus: "That's something we always aim for. It might be the part of the album-making process we spend the most time on. We write many songs, some of which are fundamentally different from typical Boards of Canada tracks. However, the ones we release tend to have a familiar, nostalgic feel. We constantly strive to capture that in our music. There are universal memories that can be evoked with certain sounds or references."
Interviewer: "Your music often gives the impression of capturing a fragment of music that has been resonating since ancient times. Does this reflect your philosophy about the nature of music itself?"
Mike: "That's an interesting observation. We've talked about how making music might not be as simple as inventing something new. There's a theory that all beautiful music already exists somewhere in the ether. Great musicians are like radios tuning in to that music and transcribing it into a recordable form. I've heard Brian Wilson say something similar about coming up with 'God Only Knows,' and I've read similar comments from David Bowie. Maybe we're just tuning into the celestial antenna."
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Interviewer: "How much does the current political instability in the world affect your music?"
Marcus: "Looking at the current situation, sometimes I feel inspired to create something dark and challenging out of this chaos. But on other days, I feel the best approach is to counter it and create something fresher and more positive. The media worldwide is already doing a good job of instilling fear and maintaining it daily. We don't need to add to that. While our music does have dark and surreal elements, the underlying message is always one of hope and freedom."
Interviewer: "Are there specific aspects in the details of this album where that influence can be identified?"
Mike: "The song "Slow This Bird Down" has a double meaning. On one hand, it sounds like something a pilot would say when trying to land an airplane—"slow this bird down". But it also comments on our world, suggesting that everything is moving too fast and is too chaotic. People need to discern what's important and protect it. I believe I'm not the only one nostalgic for a simpler, more naive time when people weren't constantly waiting for something on the horizon. Listening to that song feels like a big black cloud is finally clearing, and a glimmer of hope is peeking through."
Interviewer: "Beck once said, "Music is something timeless that exists outside politics and economics. My music is rarely influenced by such matters." What are your thoughts on his statement?"
Marcus: "I can't completely agree. Of course, music has the power to be perfectly escapist, and you could say it's all fantasy. But politics affects everything, and it always has. Psychedelic hippie culture of the 60s and the popular music that emerged from it were reactions against the imperialistic and ruthless politics of that time. Some of the greatest and most important music in history came from protest movements. Reggae in the 70s, New Wave music from the early 80s urban scene, and the anti-commercial grunge scene of the early 90s—all were born from protest. Popular music itself originated from Black slaves, with beautiful music emerging from the worst conditions and spreading from person to person."
Interviewer: "Inspired by titles like "'84 Pontiac Dream" and "Tears from the Compound Eye" on this album, do you ever create works from the perspective of non-human entities, nature, or artificial objects?"
Mike: "Griffith's statement is intriguing. I sometimes resonate with creating music like that. Being an instrumental band has both advantages and disadvantages. While we lack an immediately communicable vocal message, we're free to imbue our music with strange themes behind the scenes. I've always been fascinated by apocalyptic ideas—the end of the society we know and the potential for survival beyond that. It was a popular theme in the 70s, especially in dark, apocalyptic sci-fi depicting humanity's bleak future. Sometimes, I imagine I'm composing music that flows through that era and even beyond."
Interviewer: "Super Furry Animals once said their song "It's Not the End of the World" carries the theme that humanity's extinction wouldn't be something to mourn for the universe or other species. Do you think such an attitude is cynical?"
Marcus: "Haha (laughs). Well, if something like that (human extinction) were to actually happen, I guess we could say it was inevitable."
Interviewer: "How much irony or sarcasm exists in Boards of Canada's music?"
Mike: "Much more than you might think."
Interviewer: "Do you think Boards of Canada's music symbolizes or represents our generation, which continues to be spoiled in many ways?"
Marcus: "No, I think our music serves as an alternative for this generation. Most modern culture is designed to make people stop thinking and switch off. Our music might speak to those who remember a simpler world that existed until recently—before the internet, mobile phones, and video games. Our generation has witnessed significant changes over time."
Interviewer: "If so, what emotional aspects of our generation are you primarily expressing?"
Marcus: "We're trying to inspire people to think more freely, create their own art, and take action without feeling they need to conform or become part of the mainstream. It's the same as Devo's message. We're tired of "cool." We want to inspire people to follow their own paths, whether socially, artistically, geographically, or politically."
Interviewer: "What name would you give our generation?"
Mike: "Probably the "Apathetic Generation"."
Interviewer: "Are there any specific cultural aspects of a certain era that you feel your music is rooted in?"
Marcus: "We're heavily inspired by North American culture from the 70s to the early 80s, especially films and music from that period. The media of that time had a positive symbolism that wasn't so obvious back then, as it was often a reaction to things like the Cold War and the Vietnam War. But now it's clear that it was like a neon rainbow. That symbolism influenced everything—from TV educational programs, sci-fi, music revolutions, and graphic design for the Olympics to summer camps, winter sports, and even "Sesame Street". It's hard to put into words, but that era constantly fuels our energy."
Interviewer: "The Rolling Stones once gave listeners the fantasy of "youth that never fades", and Michael Jackson offered the fantasy of "purity that never grows up". If Boards of Canada's music provides a fantasy for listeners, what do you think it would be?"
Mike: Probably "a soundtrack to a place like the other side of the mirror". Listening to it, you can dive into an alternate version of the world you know, where history branches off and everything heads in a strange direction."


Scans[edit]


Highlights[edit]

  • Marcus reveals that the newest track on the The Campfire Headphase is "Slow This Bird Down", made June 2005.
  • Marcus also reveals that the oldest track on the album is "'84 Pontiac Dream", which was an idea/demo in early 2003.
  • Mike: "Someday, I think we'll make a record compiling unreleased tracks, but only if we have the time to revisit all of them."
  • Marcus: "Mike and I were greatly influenced by the bittersweet and contradictory visions of the future that existed from the late '70s to the early '80s. At that time, sci-fi movies and novels had a theme that the future would be both wonderfully astonishing and terrifying. That dark, paranoid view of the future is something we've carried with us to this day, and we like to inject it into our own art and music. If you've sensed that in this record, it will become even more pronounced in the next album."
  • Interviewer: "How much irony or sarcasm exists in Boards of Canada's music?" Mike: "Much more than you might think."



External Links[edit]


References[edit]